【天風録・12.20】:百貨店120年
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.20】:百貨店120年
「ガイショウ」という日本語を、海外の高級ブランドのトップが最近、使うそうだ。百貨店の三越伊勢丹ホールディングスの社長が、オンライン記者会見で紹介していた
▲「外相」ではない。百貨店が得意客の好みに合わせて品物を個別に売り込む「外商」である。店の売り場で販売する形を取らないためこう呼ばれる。海外では珍しい売り方と気になるのだろうか。日本ならではの心遣いやサービスとして高く評価されているのであれば、うれしい
▲きょうは「デパート開業の日」。120年前、三越が日本初の百貨店の始まりを宣言した。「今日は帝劇、明日は三越」という草創期の広告が知られる。百貨店は楽しくておしゃれな暮らしを消費者に提示し「ハレの日」を彩ってきた
▲とはいえ、地方では苦境が続く。今年は尾道、三次、松江の店が閉じた。島根県は中国地方で唯一の「空白県」に。地域で歳末商戦のにぎわいが薄れ、寂しがる元常連の姿が目に浮かぶ
▲地方店の反転攻勢に向けたてこ入れ策としても注目されるのが外商だ。グループ店での買い物に同行したり、若手社員を育てたりと、力を注ぐ店が増えているという。迎える巳(み)年に、一皮むけるといい。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2024年12月20日 07:00:00 これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。
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