《松尾貴史のちょっと違和感・12.15》:肺塞栓症の手術 眠れず身動きできぬ3時間
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《松尾貴史のちょっと違和感・12.15》:肺塞栓症の手術 眠れず身動きできぬ3時間
ここ数年、いわゆる肺塞栓(そくせん)症とつきあっている。心臓と肺の間で酸素のやり取りに滞りがあり、今月3日、症状を改善させるための2回目のカテーテル手術を受けた。前回は8月初頭、同じ日数入院をして右半身の血管を処置していただき、今回は左半身の病変を主に改善してもらった。
鼠径(そけい)部あたりの血管から管を入れて造影剤を注入、複数の執刀医が映像を見ながら、特殊な材質でできた細いチンアナゴのような先端をスルスルと血管の中に滑り込ませる。血栓ができて狭くなっている部分を「バルーン」と呼ばれるものを使って広げていく。おそらく前回同様、数十カ所を広げてくださったのだろう。
手術は3時間ほどだった。最初に管を差し込む穴の周囲に部分麻酔を施してもらうだけで、意識はずっと覚醒していた。しかし身動きができない状態での3時間は思いのほか長く感じた。眠ればいいのだが、血管を広げるたび、「息を吸って……、はい止めて。(間、そしてピピピピという電子音)はい、楽になさってくださーい」が数十回あるので、眠る暇はない。医師たちの「何ミリですかね」「これはダメだね」「〇〇番いきましょう」…
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元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【松尾貴史のちょっと違和感】 2024年12月15日 02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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