愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

電力停止(スト)脅しは「満蒙は生命線」論で侵略のアクセルを踏んだ歴史!国土・国民を殺す!

2012-06-11 | 日記
1.興味深い資料を「産経」が提供してくれている。それは、意図的な質問項目で回答を誘導してみたものの、国民は政府や電力会社の「見通し」=資料提示を信頼していないのだ。ここに、意図的なデマ・ペテン・ギマンが必ずしも成功していないことが判る。それでも電力利益独占共同体の連中は、圧倒的国民世論を切り捨てて、一方の世論を優先する決定をしようと必死になって野田演説を演出したのであった。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120521/stt12052111540002-n1.htm
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が19、20両日に実施した合同世論調査で、42年ぶりに稼働原発がゼロになり夏の電力不足が懸念されていることに関し、「電力不足なら安全が確認された原発は再稼働させてもよいと思う」とする回答が51・5%と過半数を占めた。「思わない」は43・6%だった。
 電力不足に関する質問では、電気の使用が制限された場合、経済・安全面で悪影響が出ると「思う」との回答は82・7%にのぼり、「思わない」(15・5%)を大幅に上回った。その一方で、政府や電力会社が示す電力需給の見通しを「信頼できない」とする回答は75・7%に達した。「信頼できる」は18・6%にとどまり、政府や電力会社に対する根強い不信感が浮き彫りになった。
電力不足の際の安全な原発の再稼働に関して男女別で見ると、男性は61・7%が「よいと思う」と容認、「思わない」(35・8%)を大きく上回った。逆に女性は「思わない」が50・9%で、「よいと思う」は42%だった。
一方、野田佳彦内閣の支持率は26・9%と4月末の前回調査より4・9ポイント増えたが、不支持率は62・1%(1・3ポイント増)と過去最悪を記録、依然として「危険水域」を脱していない。
消費税増税関連法案に明記された平成27年度までに税率を2段階で10%に引き上げることについては、「反対」が7・5ポイント増の56・1%となり、「賛成」(40・6%)を15・5ポイント上回った。(引用これまで)

2.出口を見えなくさせる「原発立地」VS「電力消費地」論の分断政策
以下の原発立地県である福井新聞が象徴的だ。原発稼動のリスクと停止のリスクを秤にかけて、再稼動を正当化する論理、そこから生まれてくる分断対立。だが両者とも「万が一」を共通の論理を使っているのだ。「万が一」のリスクを防止できる唯一の道、真に国民の安全と生活を守る道は、機械的対立の枠からは見えてこない。どちらの選択がリスクを回避できるか、福島の経験を見れば明瞭だ。

この二者択一論は、国内市場の狭さを改善せず、「満蒙は生命線」と国民を脅し、大陸侵略を正当化していった歴史と1920年代の小国日本主義論の正しさ、戦後の日本経済の発展の歴史を見れば明瞭だ。

そうした視点でみると、戦後の「消費は美徳」として電力消費を煽って資源の浪費に突き進んで巨大な利益をあげてきた歴史をこそ、きっちり反省し、転換していくべきだろう。だが、そうした視点での議論はなかなか見えてこないのだ。

福井のニュース 論説 夏の電力需給対策 節電覚悟、関西に問いたい (2012年5月23日午前7時12分)http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/34831.html
(略)関西の電気の半分をまかなってきた県内の原発は2月ですべて停止した。再稼働しなければ夏場は深刻な電力不足に陥ることは早くから分かっていた。しかし、政府は再稼働に向けた取り組みでは腰が定まらず、需給対策の具体化も後回しになってきた。危機感に欠ける点では、電力消費地である関西圏の動きも同じではないか。関西広域連合や大阪府市本部は政府や関電が示す需給見通しに異を唱え、自ら検証したものの、圧縮できるという説得力ある根拠は示せなかった。脱原発依存のかけ声ばかりで、現実的、具体的な代替エネルギー確保や需要抑制策は進んでいない。全国で最も原発に依存する地域だったという自覚に乏しかったのではないか。節電を促すメニューとして関電は、企業向けには節電分を入札で買い取る「ネガワット取引」、家庭向けではピーク時の電力料金を高くする新プランなどを導入する。関西広域連合も住民や企業に節電への協力を呼びかける方針だ。しかし、15%という高い目標達成を危ぶむ声もある。昨夏の節電の実績をみると、東京電力管内では15%を上回る節電が行われたが、関電管内では10%以上の目標に対して企業が9%、家庭は4%にとどまった。電力使用制限令が出ていたか、事業者からの要請にとどまったかという違いはあるにしろ、関西に節電意識が定着しているとは言いがたい。
大阪市の橋下徹市長は電力需給が逼迫(ひっぱく)する時期だけ大飯原発3、4号機を再稼働する案を示したが、安全性を疑問視する姿勢と矛盾するし、あまりにご都合主義だ。潜在的なリスクを抱えながら長年にわたり関西へ電力を供給し、今まさに再稼働問題で揺れ動く原発立地の自治体、住民からは、消費地のエゴとしか映らないだろう。節電・省エネの知恵と工夫を発揮して今夏を乗り切るだけでなく、中長期的なエネルギー構成のあり方を多くの人が考える機会にしてほしい。停電の可能性があるということ自体が企業活動にとっては大きなリスクで、生産拠点を移す動きがある。火力発電での代替が続けばコストがかさみ、再生可能エネルギーへの転換にも多額の投資が必要だ。社会としてどこまで受容できるのか、冷静で幅広い議論をすることが、今後の原発のあり方を問い直すことにもつながる

3.再稼動派こそ「精神論」「一般論」で煽っている。野田首相と橋下市長の主張が奇妙に一致していることは以下の記事をみれば明瞭だ。マスコミは、今でも橋下市長が再稼動に反対しているかのような印象を与えて、必ず登場させ、彼を免罪している。さらに野田首相が「講演した場所」を意図的に隠す「読売」「産経」は犯罪的だ。そこは日本の支配層の中枢だ。どこか?

「精神論でやっていけない」大飯再稼働で首相(2012年6月11日10時22分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120611-OYT1T00126.htm
 野田首相は10日、東京都内で講演し、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、「国民生活を守る視点から判断した。精神論だけでやっていけることではない」と述べ、理解を求めた。また、「福井県で所要の手続きが進められることを強く期待したい」と語り、政府による再稼働の最終決定に向け、福井県側の早期同意が得られることに期待を示した。

首相講演「国民生活を守る視点からの判断」2012.6.10 19:39
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120610/plc12061019400004-n1.htm
 野田佳彦首相は10日、都内で講演し、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる意向を示した自身の発言について「精神論だけでできるかというと、万が一ブラックアウト(大規模停電)が起きたら大変な悪影響が出る。国民生活を守る視点からの判断だ」と述べ、あらためて理解を求めた。さらに首相は「いろいろ意見があるかもしれないが、私は私の責任で判断した」と強調し、福井県での再稼働の同意に向けた手続きが進むことに期待感を示した。

大飯再稼働:「原発か節電か」橋下市長が住民に選択訴え
毎日新聞 2012年04月26日 15時52分(最終更新 04月27日 07時21分)
http://mainichi.jp/select/news/20120426k0000e040248000c.html
 大阪市の橋下徹市長は26日、関西電力大飯原発3、4号機を再稼働しない場合の夏の電力需給について、「(需要の)ピーク時にみんなで我慢できるかどうか。府県民に厳しいライフスタイルの変更をお願いする。それが無理なら原発を再稼働するしかない」と述べ、「原発か節電か」の二者択一を住民に訴える考えを示した。 政府は今夏、猛暑で原発再稼働がない場合、関西電力で最大約19%電力が不足するとの見通しを示している。橋下市長は「産業には影響を与えず、家庭に冷房の温度設定など負担をお願いすることになる。安全はそこそこでも快適な生活を望むのか、不便な生活を受け入れるか、二つに一つだ」と話した。 橋下市長はこれまで安全性を確認する手続きが不十分なことを理由に原発再稼働に反対してきたが、「理想論ばかり掲げてはだめ。生活に負担があることをしっかり示して府県民に判断してもらう」と強調した。【津久井達】

4.原発再稼動・消費税増税をめぐる対立は激化してきた。世論誘導合戦は熾烈だ。まさにイデオロギー対立そのものだ。だが、どちらが国民の生活を守る勢力か、明らかにできた時、歴史は本当の意味で前進するだろう。表面的には「政局報道」が展開され、政治不信を煽っているようだが、実際には奥深いところで、どんな力が働いているか、見抜いていくことが重要だろう。

小沢元代表 増税採決なら離党、新党 鈴木代表に可能性伝える(06/10 10:47、06/10 12:01 更新)http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/379066.html
 民主党の小沢一郎元代表が新党大地・真民主の鈴木宗男代表に対し、野田佳彦首相が消費税増税関連法案の衆院採決を強行した場合、法案に反対した上で離党し、新党結成に踏み切る可能性を伝えていたことが9日、分かった。小沢氏は採決後の対応について、「当然、何らかの決断はしなければならない。その時は新組織だ」と鈴木氏に述べた。<北海道新聞6月10日朝刊掲載>

増税法案不成立なら衆院解散も 首相、特別委で示唆(06/11 15:35、06/11 20:06 更新)http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/379309.html
衆院社会保障と税の一体改革特別委で答弁する野田首相=11日午後
 野田佳彦首相(民主党代表)は11日、衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で、消費税増税を柱とする一体改革関連法案が今国会で成立しない場合は衆院解散・総選挙に踏み切る可能性を示唆した。党内で選挙情勢を懸念して早期解散を警戒する小沢一郎元代表ら増税反対派をけん制したとみられる。
 小沢氏は一体改革法案の衆院採決時に造反する姿勢を示すなど増税反対を堅持しており、首相発言に反発を強めそうだ。15日までの合意を目指している民主、自民、公明3党の修正協議の行方に影響する可能性もある。(引用ここまで)

5.最後の資料を提示しておこう。それは原発のない沖縄の主張が、極めて全うな見方だというものだ。その点で沖縄県議選の結果は、現在日本の国民意識そのものではないだろうか。

[大飯原発再稼働]時計の針を元に戻すな沖縄タイムス社説2012年6月10日 09時57分
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-06-10_34858/
 この国は何も変わっていない。関西電力大飯原発(福井県おおい町)再稼働に向けた野田佳彦首相の8日の記者会見は、そう認識せざるを得ない象徴的局面となった。 野田首相は「国民生活を守る」ことが、再稼働の「唯一絶対の判断の基軸」と言明した。真の意味で国民生活を守るのであれば、福島第1原発事故の検証や新たな安全基準体制の確立、脱原発への道筋の提示を先に行うのが筋だろう。ところが、肝心の規制や体制刷新に向けた取り組みに関しては「国会での議論が進展することを強く期待している」と言及するのがやっと。「期待」しか表明できない状況で「国民生活を守る」と胸を張る心理は理解不能だ。 論理矛盾はまだある。現時点で「政府の安全判断の基準は暫定的」と認めつつ、「夏場限定の再稼働では国民の生活を守れない」と恒常的な稼働に踏み込んだ。支離滅裂としか言いようがない。 首相会見は福井県の西川一誠知事の求めに応じるかたちで行われた。が、政府が再稼働を急ぐ本旨は立地自治体への配慮ではない。原発の必要性をアピールしたい電力会社をはじめ、節電や停電による経済への影響を懸念する財界の要請に応えるのが主眼だ。 周辺自治体や国民を対象にした世論調査では依然、再稼働に慎重な意見が根強い。首相自らが「国論を二分している」と認める状況下で、一方の主張に政府が全面的に肩入れするのは民主主義の根幹にかかわる問題である。日本の民度が問われる由々しき事態ともいえる。 何よりも財界の「経済至上主義」の論理を優先する。これこそ原発再稼働の本質であり、戦後の日本人に骨の髄までしみこんだ価値観である。 この概念は沖縄にも大きな影響を及ぼしている。安全保障分野における日米基軸が日本経済繁栄の土台である、との思考が刷り込まれているのは官僚やマスメディア幹部だけではない。政財界はじめ国民に広く共有されている。 米主導のTPP(環太平洋連携協定)論議でも表面化したように、日本では「日米基軸」と「経済発展」が不可分のものと認知されている。そうした社会が続く限り、日米基軸路線も沖縄の米軍基地も日本側が主体的に転換を図ることは全く期待できない。 だが今、原発問題が分水嶺(れい)となり、日本経団連に代表される財界の論理が、一般国民の利益や幸福追求と合致していない、と感じる人も着実に増えている。 経済発展は物質的な豊かさをもたらすが、精神的な豊かさや幸福には必ずしも直結しない。脱原発や節電はこれまでのライフスタイルだけでなく、人々の価値観や人生観に転換をもたらす機会にもなり得る。原発に固執し続けることは、再生可能エネルギー分野など新たなビジネスの芽をつむことにもなる。 会見で首相は「原発は重要な電源」と言い添えている。これでは脱原発に本気で取り組む気はない、と吐露しているようなものだ。民意に背を向け、時計の針を元に戻すのは政治の自己否定である。


井の中の山椒魚に陥るる飛び出す手口如何に探さむ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする