昨日衆議院における代表質問が行われました。テレビは近いうち解散についての部分を強調して報道していました。同時にテレビは、石原都知事退任と第三極づくりについて持ちきりでした。これが日本をダメにしている権化だと改めて思いました。
さて自民世耕弘成議員のブログに、安倍総裁の質問の全文が掲載されていました。http://blog.goo.ne.jp/newseko
あの質問の位置づけが判明しました。そうしたら、今日の「朝日」2面に「初対決かみあわず」「『安倍カラー』全開」「発信重視 まるで所信表明」「首相乏しい独自色」「党内に弱み 終始安全運転」という見出しが躍っていました。
中身をみると、その狙いと恥の上塗りぶりが判ります。昨今の政治状況を勘違いして再登場してきたお調子者の末路宣言ということでしょうか?以下、抜き出してみます。
石破茂幹事長「総裁がこれkらの日本をどうするのか、自民党ならどうするのかを国民に向けて発信する場」
自民党若手「代表質問というより、総裁の『所信表明』だった」
共産党穀田恵二国対委員長「首相時代に『戦後レジーム』と言っていたが、同じようなフレーズ。古色蒼然で危険性を感じた」
自民党内「自らの政治信条や能書きを言い過ぎた」(参院若手)
安倍氏と距離をおく自民党のベテラン議員「浮かれた質問だった。まだ野党の党首なのに、自分が首相かのような質問をして・・・」
では演説はどうだったか、以下、主な部分を抜き出し、愛国者の邪論の邪論を述べてみました。
1.まず一国の首相を担当した人物が、所信表明演説で、口では「お詫び」を語ったものの、「その後病のため」と辞任の理由を述べ、その責任を回避したことの重みは大きいと思います。今回の「復活」は安倍氏のなかでは論理的につながっているのでしょうが、国民にとってみれば、自らの政策と政権運営が国民に支持されず選挙で敗北し、混迷の結果辞職に追い込まれた事実を覆い隠し、「病」の責任にしたのです。このお坊ちゃまの性格が如実に出たものと言えます。こんな人格を持つ人物を総裁にしてしまった自民党の未来は、どうでしょうか?
以下引用します。
質問に入る前に一言申し上げます。私は5年前、この壇上において所信表明演説を行い、その後、病のため突然その職を辞する結果となりました。国民の皆様、そして全ての議員の皆様に、心からお詫び申し上げます。 私はその日以来、この責任の取り方について日々考え続けてまいりました。「事の失敗に屈すべからず、失敗すれば失敗を償うだけの工夫を凝らすべき」とは、不平等条約の改正を成し遂げた陸奥宗光の言葉です。挫折を含め政権を担った経験を活かし、私の全身全霊を傾けて、国民のために今の日本を立て直すほかに、責任を果たす道はないと決意いたしました。(引用ここまで)
2.次は消費税です。公約違反を追及し、消費税増税の前に信を問うのは「当然」としながら、増税に同調したことはダンマリ。本来であれば、公約違反を正し、解散に追い込み、自民党の公約の審判を国民にお願いするのがスジでした。「近いうちに」「国民に信を問う」順序を自ら間違っているにもかかわらず平然と所信を表明する感覚です。これは増税に賛成したことを正当化したと言えます。野田首相にすれば、「何を言ってやがる」でしょう。
以下引用します。
先の総選挙における「消費税は上げない」との約束を180度変更するわけですから、当然その前に信を問わなければなりません。しかし、われわれは政局よりも政策。増大する社会保障費に対応する責任ある姿勢を示すべきとの観点から、野党である立場を越えて法案に賛成し、成立するに至りました。(引用ここまで)
3.次は、復古路線では一寸の違いもない野田・安倍氏を象徴した質問でした。「近いうち解散」のダシに使われた自衛官も気の毒です。軍人勅諭と中国の司馬遷の言葉を平然と使う安倍氏の思考回路を笑ってしまいました。これについては、後日に述べる機会を。
http://gunka.sakura.ne.jp/nihon/asahini.htm
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/14536/m0u/
以下引用します。
与党幹事長の言葉も鴻毛より軽い。総理は平然と国民との約束から逃げる。総理は観艦式の訓示において「至誠に悖る勿かりしか、言行に恥づる勿かりしか」と述べられました。国民のために命をかける自衛官に対して発せられた最高指揮官としての言葉は重い。その言葉に責任を持たねばなりません。総理、総理は自衛隊の諸君に対し、自らの言行を省みて恥ずかしくないのですか。総理は近いうちに解散すると間違いなく仰った。前原大臣は「総理は誠実な人、約束を絶対に守る人であるから年内に解散をする」と述べました。つまり、年内に解散をしなければ前原大臣にとっても不誠実な人となるわけです。さらには、総理は、参議院における自らへの問責決議を「重く受け止める」とも言われている。改めて国民の前でお聞きします。総理は年内に解散する約束を果たす気持ちがおありですか。誠実にお答えください。(引用ここまで)
4.自民党総裁前に、被災地を訪れていないことを暴露してしまった?「総裁就任後直ちに」ではなく、「被災後直ちに」ではないでしょうか?安倍氏の信奉?する天皇の方が、まだマシかもしれません。ここでも被災地住民をダシに使ったことを暴露してしまったのです。どんな言葉を並べても、この事実は覆い隠すことはできません。
しかも、「われわれが安全神話の中に立って、原子力政策を推進してきた責任を痛感すると述べながら、原発を維持するというのです。反背も対策もあったものではありません。この発言も「政権奪還」のための方便にすぎないものです。
以下引用します。
私は、10月3日、自民党総裁就任後直ちに福島県を訪れました。私は、われわれが安全神話の中に立って、原子力政策を推進してきた責任を痛感するとともに、政治が強い指導力を発揮し、断固たる覚悟と責任を持って、地域の皆様方の希望を取り戻さなければならない。それがわれわれの使命であるとの決意を新たにいたしました。ならばまず、復興庁の役人の意識を根本的に改めます。そして受け身ではなく、国の職員達が自ら被災地に入り込み、被災地の皆さんと一緒になって復興プランを練り、着実に実行していきます。復興庁が発足してからほぼ9ヶ月。総理のリーダーシップで何が変わったのでしょうか。自民党が政権を回復した暁には、現場主義で現場に入り込み、被災者の皆さんと共に真の復興を「実行」する決意であることを宣言します。なお、政府・与党は復興予算を流用し、なおかつ、それをわが党のせいにするなど言語道断であり、強く抗議いたします。(引用ここまで)
5.次の外交では、現実に起こっているオスプレイ配備の強行と傍若無人の飛行訓練、女性暴行事件には、一言も言及せず、「日本外交の再建のためには、まずは日米同盟を再構築し、その揺るぎない信頼関係を内外に示すことが第一」としてしたことです。
しかも「公海上において日本のシーレーンを守るため、米海軍の艦船と海上自衛艦が航行している際、米艦船が攻撃を受けてそれを自衛艦が救助しなくとも」と安倍氏特有の妄想を飛躍させています。戦後の対米従属の自民党政権の行き詰まりが各所で現れているのに、「対等な交渉力を欠いた現政権」と天に唾する発言を平然と行っている安倍総裁。ここにもお坊ちゃまぶりが発揮されたということでしょう。
「集団的自衛権の行使を可能とすることによって、日米同盟はより対等となり強化されます。結果として、東アジア地域は安定した地域となります」とまで言い切ってしまった対米卑屈論、安倍氏が首相になったとき、この発言をどのように修正するか、或いは貫いて「危機」を増幅させていくか、見ものです。
以下引用します。
抑止力の意味も理解せず、「最低でも県外」という元総理の無責任な発言に端を発した普天間基地移設問題の迷走は、地元沖縄県民の気持ちを大きく傷付けたのみならず、日米同盟の信頼関係に致命的な亀裂を生じさせました。日中韓首脳会議においても、「今までややもすると米国に依存しすぎていた。アジアの一員としてアジアをもっと重視する政策をつくりあげていきたい」と発言され、米国からは、日米中の正三角形の関係を形成し、日米同盟を見直すものと受け止められました。当時米国の知日派の元政府高官は「この人物は日米同盟の意味が分かっていない。私達にとって驚くべき発言だ」と私に述べました。日米同盟とは、日本が侵略されれば日本のために米国の若い兵士達が命を懸けるということであります。彼は「そのことを理解していない人物がリーダーを務める国のために命を賭けねばならない兵士はどう思うでしょうか」とも述べ、「中国の指導者は日米同盟の重要性を理解していない人物が総理になったことを驚きと歓迎をもって迎えたのではないか」とまで指摘しました。尖閣諸島の漁船衝突事件における政権の対応は目を覆うばかりでありました。おおよそ「国家安全保障」の考えが理解されていない。外交無策の足元を見透かされる中で、韓国の李明博大統領やロシアのメドベージェフ大統領のわが国領土への不法上陸を許しました。これ以上、日本が諸外国から軽視され、国益を損なうことを見過ごす時間的余裕は日本国民には残されていません。
日本外交の再建のためには、まずは日米同盟を再構築し、その揺るぎない信頼関係を内外に示すことが第一であります。その上で、その同盟関係をより対等にしていく。そのため、集団的自衛権の行使を認めるべく、解釈を変更する必要があります。その上に立って、わが党は国家安全保障基本法案を策定し、党議決定いたしました。公海上において日本のシーレーンを守るため、米海軍の艦船と海上自衛艦が航行している際、米艦船が攻撃を受けてそれを自衛艦が救助しなくとも日米同盟は傷付かないとでも野田総理はお考えでしょうか。助けなければその瞬間に日米同盟は危機的な状況になる可能性があります。集団的自衛権の行使を可能とすることによって、日米同盟はより対等となり強化されます。結果として、東アジア地域は安定した地域となります。日米間の信頼を回復し、同盟を強化した上において、われわれ自民党は、インド・豪州・ASEAN諸国との安全保障・経済・エネルギー各分野の関係をより緊密化し、さらに、中国・韓国との関係改善を図ってまいります。同時に、わが国の美しい領土・領海は断固としてわれわれが守るとの決意を国民に、世界に示さなければなりません。わが党が政権に就けば、海上保安庁、そして防衛力をより充実・強化させてまいります。なお、TPP交渉においても、外交力も戦略もなく、対等な交渉力を欠いた現政権では、取るべきものも取れず、守るべきものも守れません。わが党では既に、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対することを決定しております。総理は11月18日から始まる東アジアサミットにおいてTPPへの参加表明を行うのかどうか、明確な答弁を求めます。(引用ここまで)
6.「他人の振り見て我が振り直せ」とは安倍氏に最も当てはまる言葉です。暴力団との関係、統一教会との関係など、必ず出てくる人脈であることを棚上げして、よくも言えると思います。ま、どっちもどっちであることは変わりありません。こういう輩が国会に巣くっていけるのは、国民の支持があるからです。これが最大の課題です。
拉致問題にしても、六カ国協議を進めていくために、中国との関係をどうしていくか、最大の課題です。しかし、日米同盟の枠内でしかものを見ない自民党政権、民主党政権こそが、拉致問題の解決を遅らせているの言えます。日米同盟の深化としての集団的自衛権の行使は、その最悪のパターンと言えましょう。
以下引用します。
総理、総理はまさに日米同盟を傷付けた元総理をこともあろうに外交担当の党の最高顧問に任命されました。原発事故対応を誤り混乱させた前総理も新エネルギー政策担当の最高顧問です。これはブラックジョークでしょうか。そしてこの度の内閣においては、暴力団との関係が予てから噂されていた田中慶秋氏をあえて法務大臣に任命する。総理は一体何を意図してこうした人事をなさるのか、お伺いします。 田中前大臣は拉致の担当でもありました。このことは、総理が如何に拉致問題を軽視しているかの証左であります。10年前、私は小泉総理とともに北朝鮮を訪問しました。私が忘れることができないのは金正日総書記との握手ではありません。それは5人の拉致被害者の方々が羽田空港に降り立った、2002年10月15日の秋の日のことであります。被害者の方々は家族の皆さんと涙の対面を果たされました。そこには横田滋さん、早紀江さんらが、家族会の会長として来ておられましたが、めぐみさんがいないことはどんなに辛かったことか。お二人が自らの手で、そして全ての拉致被害者の家族の方々がその家族をしっかりと自分の手で抱きしめることができる日が来るまで、私は闘い続けると決意しました。私はそれが与野党を超え、日本の政治家、そして総理の使命だと信じています。安倍政権における拉致問題の解決とは、被害者の帰国・真相の究明・犯人の引き渡しの三点であると政府方針として決定しました。民主党政権は何故この基本方針を変えたのでしょうか。お伺いいたします。われわれ自民党は、国際社会との連携をすすめ、この問題を解決しなければ北朝鮮に未来はないのだと北朝鮮自らに判断させるため、圧力に重点を置いた対話と圧力の姿勢によって解決を図ってまいります。(引用ここまで)
7.現在のデフレと不況は、長年の自民党政権が行ってきた財界優遇政治の結果です。デフレがいつから始まったか、その責任を棚上げして、野田政権を攻撃してみても、自民党が政権奪還をしても、同じことになるでしょう。今必要なことは国内の購買力を高めること、地場産業を発展させ、ピーマン状態になってしまった経済構造を立て直していくしかありません。しかし、「円高を是正し、あらゆる手段を尽くして競争力ある日本の輸出企業を守っていかなければなりません」という米倉経団連のポチぶりを示した安倍総裁の自民党ではできないことははっきりしています。「成長戦略推進」が何を意味しているかを見れば明瞭です。
日本の『デフレ』はいつから始まった?
http://abc1008.com/pitatto/pita_journal/100412.html
日本経済の変容の始まり
http://www.rieti.go.jp/jp/papers/journal/0412/bs01.html
以下引用します。
デフレは日本経済低迷の根源であり、われわれはあらゆる政策を総動員し、その脱却を果たしてまいります。そのためにもまず、政府と日銀が政策協調をする中で大胆な金融緩和を行い、着実にデフレ脱却を図るべきと考えます。また、円高を是正し、あらゆる手段を尽くして競争力ある日本の輸出企業を守っていかなければなりません。その上で、新たなビジネスアイデアやイノベーションに国家資源を投資し、経済成長を実現させる新たな成長戦略を推し進めていかなければなりません。そして、国民の信を得た確かな政権の手で作られた成長戦略、市場が評価できる政治基盤のうえにこそ、世界の金融市場は反応し、現実の成長軌道をもたらすのです。野田総理、予備費使用の弥縫策に無駄な時間と労力を空費するのではなく、潔く自らの限界を悟り、国家国民のために一刻も早く信を問うことこそが今や最大の経済対策と考えますが、如何でしょうか。(引用ここまで)
8.いよいよ本質が出てきました。国民には「自らの生活は自らによって支える自助・自立を基本」として自己責任を強要し、「お互いが助け合う共助」の「お互い」には企業や行政や国家はなしに、あくまで「補完」的に、「それでも対応できない者に対しては公助」と、これぞ、まさに「新」「自由主義」!自由と民主主義の国日本国は国民を助けない国家、これこそが「美しい国」であり、「国益」だと強弁したのです。全く反省していないでしょう!
国民から政党助成金をふんだくり、いかがわしいところに使い、返還下から問題なしとする安倍総裁の本質が出ています。さらには、企業献金やパーティーを開いてシコタマ蓄財している。こんな不道徳な政治家が、よくも抜けぬけと国家のことを論じているのです!
以下引用します。
社会保障と税の一体改革に関して伺います。われわれは一体改革に関する三党合意を行いましたが、今後もこれを進めていくことは当然です。しかしながら、強い社会保障制度とは、できもしない給付のばらまきを約束することではありません。自らの生活は自らによって支える自助・自立を基本とし、これをお互いが助け合う共助によって補完し、それでも対応できない者に対しては公助によって支えるという順序によって図られるべきです。税や保険料を納める者の立場に立ち、この「自助・共助・公助」の基本理念を基礎として強い経済・社会をつくることこそ、強い社会保障制度の構築につながり、その給付は確かなものになります。
年金制度については、保険料の納付に応じて年金が支給される現行制度を基本として、給付と負担のバランスの一層の確保を図る必要があります。医療・介護については、給付の重点化・効率化や負担の公平化が避けられません。生活保護については、額に汗する正直な働き者が報われるよう、不正受給への対策、給付水準の適正化が急務であり、直ちに取り組むべきです。こうしたわが党の社会保障政策における基本的な考え方について、総理の見解を伺います。(引用ここまで)
9.三党合意の前に国民に信を問うのがスジです。まったく判っていません。三党合意そのものは、野党が問責決議を出したことに見られるように、密室政治以外の何物でもありません。しかもその野党の問責決議に自民党も同調したのです。安倍総裁は、そのことは一切語っていないのです。ここでもコロコロ変わるお坊ちゃまぶりが良く出ています。
以下引用します。
なお、三党合意によって民主党政権の正統性と政権基盤は崩壊しました。社会保障制度改革は、国民に信を問い直し、その民意を受けた正統性と安定した基盤を備えた新たな政治体制の下で腰を据えて進めるべき問題と考えます。国民会議についても、単独で設置を強行しようとしたり、民主党の選挙対策のために新年金制度の議論を先行させたりすることがあれば、これは三党合意を踏みにじるものと付言させていただきます。(引用ここまで)
10.「教員免許更新制」が、教育界にどれほどの迷惑制度になっているか、「あんたに教育のこと言われたくないよね」というのが、教育界の一致した声ではないでしょうか?
安倍氏が語っている教育の諸問題は、読めば読むほど、ことごとく自らにその責任が跳ね返ってくることが明らかになります。しかし、彼の学力と家庭教育から判断すると、その人格形成の全部がにじみ出てきます。大爆笑もんです。
安倍氏が語る教育の本質は、自己を自覚できる「高い学力と規範意識」「公共の精神」「道徳心」「国や郷土を愛する心」「職業教育・環境教育・家庭教育」です。こうした路線が、今「若者」にどのような影響を与えているか。ホントに呆れるだけです。
以下引用します。
次に、教育再生について伺います。現在、教育は危機に直面しております。陰湿ないじめ、親による虐待、育児放棄といった凄惨な事件が起こる中で、家庭教育、そして学校教育に対する国民の自信と信頼が大きく揺らいでおります。私は、品格ある国家、社会を創り、世界から信頼され、敬愛される国を創りたいと思います。誰もが日本に生まれたことを喜び、誇りに思うことができる国創りを目指したい。しかしそれは、日本に生まれてきた子供達全員がそれぞれの夢を実現する力と機会を与えられた結果でしか実現しないのであります。その目標は、すべての子供達に高い学力と規範意識を身に付ける機会を保障することであり、5年前に制定された新しい教育基本法には「公共の精神」「道徳心」「国や郷土を愛する心」「職業教育・環境教育・家庭教育」などが盛り込まれています。民主党は、教員免許更新制の抜本的見直しをマニフェストに掲げるとともに、教員の指導力強化と学力・体力の向上を図るための全国統一学力テスト等を廃止するなど、教員の質の監視、教育の評価の機会を自ら摘み取り、教育の再生に向けた歩みを徹底的に止めようとしております。教員が違法な選挙活動を行い、裏金を民主党の候補者に渡すという信じがたい出来事も起きております。そしてその多くは、日本の歴史・伝統・文化を否定し、国旗・国歌に反対する日教組との関係によるものと言っても過言ではありません。 高い道徳力と学習意欲の構築は、国家発展の基盤であります。公平中立、そして正義感と子供への愛情にあふれる教師の背中で、子供達は伸び伸びと失敗を恐れず挑戦し、そして自ら学んでいくのです。そして、オリンピックの時だけでなく、自然に国歌を奏で、歌う。そんな教育現場の実現に向けて、われわれ自民党はもう一度全身全霊を捧げる用意があります。(引用ここまで)
11.大日本帝国憲法の復活のために「国民の生命、財産、日本の誇り」をダシに使う不道徳ぶりを良く示した所信表明演説でした。
これまで見てきたように、安倍氏にとって国民の生命や財産など、どうでもいいことです。尊敬する彼の爺さんである岸伸介の生涯を見れば明瞭です。
以下、原彬久『岸伸介―権勢の政治家―』(岩波新書)のなかのエピソードを紹介しておきます。安倍総裁の有り様には、岸伸介の亡霊が骨の髄まで棲み着いていることがよく判るでしょう。
「岸が八ヶ月前、戦犯容疑者に指名されて田布施を離れるとき、長州出身で一高時代の恩師でもある杉敏介から、『名を惜しむなら命を捨てよ』という意味の『自決』を促す短歌を贈られる。岸はこれを拒否して次のような返歌を杉に届けている。『何にかへてこのみいくさ(聖戦)の正しさを来世までも語り残さむ』」
以下引用します。
日本が主権を回復して今年の4月28日で60年目を迎えました。本来であれば60年前、7年間の占領時代に作られた仕組みを見直すべきでした。しかしそれをしなかったが為に今、様々な問題が私達の前に立ち塞がっています。国民の生命、財産と日本の誇りを守る為、今こそ憲法改正を含め、戦後体制の鎖を断ち切らなければなりません。われわれの伝統と文化の上に、瑞々しい新しい日本を創ることができるのは、われわれ自由民主党です。
野田総理、一日の仕事を終えて仰ぐ夕日の美しさに感動する時を迎えているのは総理自身です。解散・総選挙の結果、国民の信を得た政権によってこそ、強力な経済、外交、政策を推進することが出来ます。そして日本は輝ける新しい朝を迎えます。その為に、総理の決断を求め、質問を終わります。(引用ここまで)
http://blog.goo.ne.jp/newseko/e/4246aeca0ce964d7e7b44f75d4be7779?fm=rss
どうだったでしょうか?「われわれの伝統と文化の上に、瑞々しい新しい日本を創ることができるのは、われわれ自由民主党です」「日本は輝ける新しい朝を迎えます」、などという言葉をみると、現実を投影しない言葉が踊っているという点では、野田首相と全く同じです。良くも、まぁ、恥ずかしくないもんだ!