愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

宜野湾市長選・県都那覇市長選はオール沖縄による沖縄革命の推進に役立つものの敗北から何を学ぶか!

2012-11-12 | 日記

那覇市長選が終わった。予想された結果でした。何故か、県知事選挙・宜野湾市長選挙と同じ構図だったからです。確かに沖縄の酷さに一貫して日米軍事同盟廃棄を掲げてたたかってきた共産党の活動が、沖縄を牽引して、現在の「オール沖縄」がつくられてきたことは、ある意味正しいと思います。 

しかし、選挙で立候補する以上は、その政策の実現のために勝たなければなりません。選挙に勝つことで、日米軍事同盟深化に費やされるカネを含めたエネルギーを、暮らしや福祉、教育につぎ込むことができるからです。 

今回の結果は惨憺たるものでした。村山氏の獲得票は、これまでの選挙で獲得した「革新」票のどれをとってみても、最低でした。投票率の低さもありますが、何故投票率が低かったか、そのことの分析からみても、今回の「大惨敗」から、たくさんのことを学ぶ必要があると思います。敗北から学んでこそ、次への勝利の土台が築かれるのだと思うからです。 

以下、この間の数回の那覇市における共産党・社民党・沖縄社会大衆党の選挙がどうだったかについて、那覇市選管のHPを検索して調べてみました。そのなかで判ったことについて、述べてみたいと思います。 

1.共産党は、投票率が極端に下がったことをどのように評価するかです。本来であるならば、「那覇市長選挙に臨む基本姿勢」に共感した市民が、村山氏当選に向けて運動し投票し、勝利するということがおこらねばならなかったはずです。「市民が主人公」とは、そういうことです。http://peace.moo.jp/kakushin/tableware/index.html

2.沖縄の2紙は、「過去2番目の低投票率となったのは残念」「翁長氏への信任投票的な意味合いが強かったといえるが、原因は革新側にある」「革新側は統一候補を擁立できず、ぎりぎりになって共産党が県委員会委員長代理の村山氏を擁立してかろうじて無投票を回避した。革新側はふがいなさを自覚してもらいたい」(沖縄タイムス)、「気になるのは、今回の投票率の低さ」「今回は争点が明確でないと言われた」「低投票率は候補者、政党の争点設定機能が低下した表れにほかならない。選挙管理委員会も課題を残した。責めはわれわれ報道機関も負うべきだろう。猛省したい」(琉球新報)と、低投票率を評価しました。 

3.選挙は国民が支持する政党を通して自らの要求の実現を託すという意味で、極めて民主主義的です。その選挙に、約6割の市民が参加していないのですから、「市民が主人公」になれるはずがありません。この点について、深い分析が解明できてはじめて日米軍事同盟が廃棄され、廃棄後の日本の政治の枠組みが、国民によって担われていくのだと思います。 

4.では何故、6割もの市民が投票所に足を運ばなかったのでしょうか? 

一つには県民大会では実行委員会の共同代表に名前を連ね…強行配備に対する早朝抗議集会にも連日参加し…沖縄の反対の声を無視する強行配備に…抗議の姿勢を鮮明にし…沖縄が一つにまとまる上で大きな役割を果たし」(沖縄タイムス)たこと、「沖縄固有の問題解決へ向け保革の違いを超えて行動した結果」(琉球新報)、基地問題について争点化ができなかったことがあるでしょう。しかし、このことは県知事選挙や宜野湾市長選で経験していたことです。 

二つ目の市民の暮らしについては、「中核市に移行し、県から約2900の事務が移管される」那覇市にあって、「中核市移行へこぎ着けた手腕」(沖縄タイムス)「行財政改革に取り組んだことも疑いない」(琉球新報)。「こうした実績を市民が高く評価した表れ」として「翁長氏の得票率は投票者数の75%にも達」しており、「驚異的な結果」で、明らかに『信任を得た』と言ってよい」(琉球新報)とあるように、今回の選挙は最初から「翁長氏への信任投票的な意味合いが強かったといえる」(沖縄タイムス)という選挙であったことが、「どうせ現職市長の当選という結果になるから選挙に行かなくても行っても同じ」というムードがどんなベクトルによって蔓延させられたかだと思います。 

三つ目は、こうした状況にあって、共産党の側はどのような戦略と戦術を組み立ててたたかったか、です。基地問題と暮らし問題をどのようにリンクできたかということと、国政上の問題と市民生活の問題をどのようにリンクできたかどうか、市民の身近な要求実現にどれだけの「実績」と経験を創り出してきたか、そこにかかっているように思います。 

「100年の歴史ある久茂地小学校の存続を求める署名は1万7389筆に達しました。総決起集会も開かれ、共催団体にはPTA、学校区の自治会、商店街連合も名を連ね」(市田発言)たにもかかわらず、また国保問題や待機児童問題など、福祉や子育て、教育問題で、市民の要求を結集できなかったのは、何故か、そこに深い分析が必要でしょう。 

「事務を民間委託して職員の削減などに踏み込む行財政改革を実行してきた」(沖縄タイムス)ことによる住民サービスは争点化できなかったことがあると思います。「行政サービスを充実させ、同時に行財政改革も進めるという、難しいかじ取り」「中核市移行に伴って市民ニーズに基づく行政サービスが低下しては元も子もない」(沖縄タイムス)とあるように、現職市長に「驚異的な」支持があつまったものの、現職市長の姿勢は必ずしも支持されるとは言えないことも明らかでした。 

以上、沖縄タイムス・琉球新報社説、赤旗を参考に、まとめてみました。それぞれの立ち居が見えてきて興味深い、と思います。詳しくは触れません。 

5.国政選挙を展望して、今後の課題について 

「保守陣営が基地問題で県民の意を体して行動すれば、革新陣営の『水源』は枯れ、保守は盤石の態勢となる。それが実証された格好だ」(琉球新報)とあるような政治的な構造は、県知事選挙・宜野湾選挙でもあったように、今後も出てくるでしょう。こうした構造こそ、運動の成果であると同時に、保守陣営の「したたかさ」を示しているということも言えると思います。この「したたかさ」から学びながら、さらなる「したたかさ」を発揮していかなければ、日米軍事同盟廃棄の課題は、近づいては来ないということです。 

また「今回は『自公民』対『革新』という新たな構図の選挙戦でもあった。4年前の『自公』対『反自公』から、民主が翁長氏推薦に回った点が特徴だ」(琉球新報)とあるように、政党の枠組みの乱立乱用によって争点化を煙に巻いてしまうという事態にどう対応するか、まさに「一点共闘」論が試されているのだと思います。 

「原則性と柔軟性」「柔軟に接近」するというスタンスが局面・局面で、スピーディーに試されていると言えます。その点で共産党自身が「マンネリ」的、「保守」的になってしまわないことを念じています。 

最後に強調しておくことは、民自公なりの「草の根」に対して、共産党の「草の根」が水面下、地下で激しくつばぜり合いを展開しているのだということです。情勢論や社会の解釈論でどんなに優っていたとしても、それが住民のこころを捉えることには、直接には連動していかないということです。 

確かに時間を永遠的に考えれば、歴史は必ず変わりますので、そこまでジッと待つということでも良い訳です。しかし、それでは国民的被害は測り知れないものがあると思います。そうではなく、真に国民の中に生き、国民とともに寄り添いあうならば、また国民のこころを捉えるための「草の根」とは何か、について、更なる探求に成功するのであれば、展望は切り開かれてくるように思います。反面教師は、民自公に中にあるように思います。

 

それでは、いくつかの資料を掲載しておきます。ご参考まで・・・。 

1.市長選のおける票の出方

候補者(今回・前回)

今回

前回

翁長 雄志・翁長 雄志

72,475

70,071

+2,404

村山 淳・平良 長政

20,783

54,966

-34,183

石田 辰夫・屋良 朝助

2,670

1,797

+873

有権者数

246,473

241,120

+5,353

投票者数

97,195

127,930

-30,735

投票率

39.4

53.06

-13.66

2.前回市議選(H21)・県議選(H24)。県知事選挙結果と市長選(H24)結果の比較

 

 

前回市議選

合計

県議選

合計

県知事選

翁長 雄志

72,475

自民党

20,936

53,420

33,516

62,559

76,327

仲井真弘多

民主党

11,548

5,701

公明党

20,936

23,342

新党改革

村山 淳

20,783

共産党

14,307

29,852

15,990

43,280

68,108

伊波洋一

社民党

9,114

17,280

社会大衆党

6,431

10,010

 沖縄タイムス社説 [翁長氏4選]中核市へ責任は重大だ2012年11月12日 09時59分

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-11-12_41412 

琉球新報社説 翁長市長4選/「市民は一つ」体現に期待 県の課題解決へ指導力を2012年11月12日

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-199115-storytopic-11.html 

那覇市長選告示  市田書記局長の訴え2012年11月5日(月)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-11-05/2012110504_01_0.html


那覇市長選告示 基地撤去・暮らし優先市政を 村山氏が訴え2012年11月5日(月)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-11-05/2012110501_01_0.html 

那覇市長選挙に臨む基本姿勢

http://peace.moo.jp/kakushin/tableware/index.html

コメント (2)
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