衆議院の解散日、テレビは何を流したか、新聞は何を報道したか、みてみました。その中で最大の問題と課題について述べてみたいと思います。
それは民主主義国ニッポンが、実は日米軍事同盟深化派の情報の寡占化によって国民をマインドコントロールする国であることが、今回の選挙でも一層明らかになったと言えます。
細川日本新党を軸にした「非自民・非共産選挙」による連立政権の際の「政治改革」騒ぎ、その後の分裂、まるで今日の民主党の期待はずれ、騙し政治の前哨戦のようでした。しかも、こうした手法は、小泉構造改革の際の自民党をぶっ壊す郵政民営化・刺客騒ぎ選挙の「暴風雨」、その後の二大政党政治による政権交代・政権選択選挙に受け継がれました。
こうした大騒ぎの結果、日本の政治は今日にみるような劣化現象、二大政党政治の破綻をつくりだしてきたのですが、その反省もなく、今回も古い政治の復活阻止か、政権奪還か、第三極か、と上っ面の、皮相なコピーを掲げ大騒ぎしているのですから、どうしようもありません。
しかし、こうした歴史の経験を教訓化しなければなりません。さもなければ同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。
彼らの狙いを見抜く必要があります。それは徹底して共産党を排除することです。今日の「朝日」には、引退議員に共産党の吉井英勝氏は、「意図的」にはずされていましたし、志位委員長の新宿の演説もありませんでした。これは先日の志位委員長の予算委員会の質問をスルーしたことと同じ延長線上にあります。
選挙ですから、公平に登場させなければなりませんが、民主党、自民党、公明、第三極、あとは付け足しの報道に終始していくでしょう。
昨日の地方紙の社説では、各政党に選択肢を明確にできるような政策をまとめろとの主張が展開されていました。「何を今さら」、争点づらしの「第三極」「第三極」と現を抜かしているのに、こうしたことを平然と言えるのでしょうか?その神経が判りません。
草の根を持たぬ政党に発言と登場の場を提供し、事実上応援団に成り下がっているマスコミ、草の根を張って地道に活動をしている共産党に登場の機会を与えない、これが民主主義国ニッポンなのです。呆れます。
マスコミに対して言うことは、「だったら、テーマごとに、テレビとネット、ラジオを使って、公平な運営にもとづく公開討論をやれ!」と。以下調べた地方紙を掲載しておきます。
有権者に対し、明確な選択肢を示すのが各党の責任だ。(北海道)
師走選挙で何を約束するか。それが明確にならなければ、何度選挙を繰り返しても、国民の政治不信が収まるはずはない。(河北新報)
各党は早期に政権公約を示す義務がある。(東奥日報)
各党はどんな国づくりを目指して日本再生を図るのか。その責任あるビジョンと具体的な政策を選挙公約として早急に詰め、国民に示さなければならない。(秋田さきがけ)
次期総選挙は首相自身が強調していたように、消費税増税への国民の信を問うという重要な意味がある。各党は他の争点に関しても、有権者が選択するための政策を早急に整えるべきだ。(岩手日報)
各党のマニフェスト(政権公約)が持つ意味は重い。有権者の歓心を買うだけの公約はやめ、各党ともできること、できないことを厳しく区別した責任ある公約を示すべきだ。(福島民友)
民主党政権でマニフェストに対する信頼が揺らいだといっても、政治の基本はあくまで理念と政策である。具体的で実現可能な公約を軸に、政策論議を活発にすることだ。(信濃毎日)
各党、各候補予定者はそれを肝に銘じて、有権者に分かりやすい国民本位の政策、公約を公示までに掲げて臨まなければならない。この時期に民意を問うからには、各党の覚悟を政策できちんと示してもらいたい。(新潟日報)
既成政党にしても第三極にしても、問題は政策である。課題は多い。有権者には政策を吟味し、判断する時間が必要だ。慌ただしく総選挙に駆け込む前に、各党は政権公約をきちんとまとめ、連携の場合は共通政策の策定にも取り組むべきだ。総選挙では各党の基本理念とそれを具体化する政策が問われる。多岐にわたる課題に関する方針を比較検討できるよう各党に早急な詰めを促したい。(岐阜)
各政党は、戦後日本外交の正念場ともいえる困難な状況にどう立ち向かうかを衆院選で示さなければならない。(北国)
どこまで中身のある論戦を展開できるか。与野党は腰を落ち着け、できるだけ早く争点を明確にする必要がある。評価に耐えるマニフェスト(選挙公約)を、国民の前に示さねばならない。その多くが掛け声倒れに終わったのは、財源の裏付けなどの手だてが乏しかったためだ。 今回の総選挙でその二の舞いを繰り返してはならない。政策を掲げるだけでなく、実現する戦略を打ち出す。その努力を全ての党が重ねるべきである。各党は政局一辺倒を脱し、間近に迫った総選挙に向け政策を競い合ってもらいたい。(神戸)
各政党とも、まずマニフェストづくりを急ぐとみられるが、激しい選挙戦の中で有権者には政策の中身をしっかりと届けてほしい。(奈良)
日取りは決まったが、有権者の戸惑いは大きい。今のままなら、1票をどう投じるか、選択肢が見えないからだ。各党は政策の具体的な取りまとめを急いでもらいたい。(中国)
最後まで政権党の資質に欠け、迷走した与党。対して存在感を発揮できなかった各野党。いずれも、日本を混沌(こんとん)に陥れた責任を負う。 政治が猛省し誇りを取り戻すことを願いたい。「日本再生」を訴える力も資質も失った政治だが、それでもこの国を託すしかないのだから。(愛媛)
09年の衆院選で政権交代の原動力となった民主党マニフェストの愚を繰り返さないということだ。財源見通しの甘い政策や単なる「ばらまき」政策を示すことがないよう、各党は肝に銘じてもらいたい。(徳島)
大震災からの復興など困難な時代の針路を決める総選挙が、いっときのブームや空疎な言葉で語られてはならない。各党は来月4日に予定される衆院選公示までに、確かな理念と政策をつくることが必要だ。(高知)
各党とも有権者の選択と審判に堪える政権公約づくりを急ぐべきである。解散・総選挙で何を有権者に問うのか。その政策論を研ぎ澄ます努力を各党は怠ってはならない。(西日本)
第三極が注目されるのは、民主、自民両党など既成政党への失望感の裏返しでもある。既成政党の側も原発・エネルギー政策や社会保障・税制改革、憲法改正など基本政策で明確な方針を国民に示す責務がある。選挙で政策を競い合うのは当然だ。ただ、いったん有権者の声を聞いた後は、国民生活の立て直しを優先し、各党はいたずらな政争を避けるという覚悟をみせるべきだ。各党のマニフェスト(政権公約)が持つ意味は一層重い。有権者の歓心を買うだけの公約はさすがにないだろうが、各党ともできること、できないことを厳しく区別した責任ある公約を示さなくてはならない。(宮崎日日)
討論の時間が短く、ほかの問題を俎上(そじょう)に載せられなかったものの、最大の焦点だったからにはやむを得ない。民主党が政権交代時に掲げたマニフェスト(政権公約)の多くを実現できず、国民の失望を招いた以上は、早く国民に信を問うのが筋だ。総選挙まであまり余裕はないものの、各党は有権者の選択肢となる政策を明確に示してほしい。(佐賀)
各党は政策を速やかに取りまとめ、国民に選択肢を明確に示すべきだ。(熊本日日)
各党に求めたいのは、政権公約(マニフェスト)には実現への道筋を示した具体策を盛り込むことだ。(南日本)
各党は、野田政権が進めてきた社会保障と税の一体改革や脱原発依存、TPP交渉参加など重大な政策課題に対する評価、対案を国民に明確に示すべきだ。各党は他党をこき下ろすようなネガティブキャンペーンではなく、実現したい国家像や政治・外交、経済、生活それぞれの再生戦略を競い合い、政権担当能力を示すべきだ。日本の社会、経済システムの激変を促す環太平洋連携協定(TPP)参加の是非について各党の姿勢、具体策に注目したい。速やかに国民の審判を仰ぎ、日本再生をけん引する政党政治を再構築してほしい。(琉球新報)
与野党、第三極とも選挙公約づくりを急ぎ、旗幟(きし)を鮮明にした上で国民の信を問うべきだ。政治が機能しておらず、どう乗り越えていくのかを示してもらいたい。(沖縄タイムス)(引用ここまで)
どうでしょうか?日本のマスコミが、各党の政策を公平に明らかにし、公平に討論させ、争点を明確にしたら、もっと投票率は上がるでしょうし、いわゆる「無党派」は、もっと少なくなるでしょう。何より違いが判るようにすることです。その違いが、国民にとって利益となること、不利益となることがハッキリしてくることで、国民の政治に関する「無関心」は相当の規模で減少していくことでしょう。
次に「身を切る」論のトリックについて述べておきます。
国民に重い負担を強いる以上、国会議員が「身を切る改革」を断行し、行財政改革に寄与する姿勢を示すのは当然である。(徳島)
とありますが、この論理はオカシイですね。国民負担と議員負担は同等ではないからです。負担を課せられている国民が負担を課す議員をみて、「コンチキショー」と思うのは当然です。しかも議員は「仕事をしていない」と思われているのです。事実仕事をしていない議員の方が多いように思いますし、かつ私服を肥やしている議員もいます。そういう議員をみると、「議員を減らせ」となるのも、判ります。しかし、議員を減らしても、悪政を推進する議員が減らない限り、国民負担は、そのまま課せられるのです。
むしろ国民のために汗をかかない議員を落選させる運動のために汗をかいた方が効果的です。しかし、「世論調査」で政治が動いていく実態に浸ってしまっている国民が、自分から汗をかくことはしないでしょう。「どうせムリだ」ということで。
ま、こういう簡単なことなのですが、現実は、不当な政治家を震撼させるような国民の運動は起こっていません。彼らが延命してきたことが何よりの証拠です。しかも政党助成金が継続しているし、企業団体献金は政治家を太らせているのですから。企業献金も、本来は賃金に回されるべきものですし、組合費という団体献金は、組合員の組合費なのです。何故このことに怒らないのでしょうか?怒る方向と内容が、全く逆さまです。
これについては、「東京」の以下の「社説」(15日)が明解です。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012111502000124.html
さらに、首相が党首討論で、年内解散と引き換えに、自公両党に対して衆院定数の削減を迫ったことは、理解に苦しむ。 行政や国会の無駄削減は大賛成だが、それに努力すれば増税が許される話にはならないはずだ。 議員定数の適正水準は衆参両院の選挙制度全体を見直す中で導き出されるべきであり、減らせばいいものではない。政府の役職に就く与党議員も増えた。むやみに減らせば国会運営に支障が出る。 衆院定数を民主党の主張通り四十削減しても最大で年間四十億円程度の経費削減にしかならない。年間三百二十億円に上る政党交付金を削減する方が効果的だ。(引用ここまで)
最後に、全国紙や地方紙が掲げる「争点」について述べておきます。これらの「争点」の奥に対米従属性と企業の利益優先という枠組みがあることは明瞭ですが、これについては、枠外に追いやっているのです。日米軍事同盟は出てきませんし、企業の儲けにメスを入れることもタブーなのです。
こうしたタブーを国民に持ち込んで、国民的タブーを創り出しているのです。選挙戦における国民の反応は、この二つのタブーにメスを入れるコメントはほとんど報道されません。思考は、ここでストップしているのです。
屈辱的不平等的日米軍事同盟を対等日米同盟とゴマカシ、膨れに膨れ上がった大企業の利益剰余金(内部留保)を国民=労働者が創り出したものとは描かず、それを国民のために使用することは想定外にしておき、さらなる儲けを保障してやるための法人減税や非正規労働者づくりを正当化しているのです。企業献金をもらって太っている議員は、マスコミに登場させ、大きな声で発言させるのです。
この構図こそ、構造改革の対象です。官僚と企業の癒着についても、同様ですが、この構造にメスを入れているマスコミは小数です。
以下、いくつかの地方紙を掲載しておきます。
環境、医療、農林漁業を重点とする日本再生戦略は具体性に乏しい。「対等な日米関係」とアジア重視路線は継続するのか。「民主中道」の旗印はあいまいでわかりにくい。実現性を明示して政策を掲げることが大切だ。 (北海道)
争点に浮上している環太平洋連携協定(TPP)、原子力・エネルギー政策のほか、年金制度や医療・介護など社会保障制度改革、尖閣問題など外交を含め政策課題は多い。(東奥日報)
原発・エネルギー政策も重要な争点になる。年金制度や医療、介護などの社会保障制度改革、消費税増税への対応と税制改正、尖閣問題など外交・安全保障政策、統治機構改革、憲法改正と課題は山積する。(岐阜)
第三極が注目されるのは、民主、自民両党など既成政党への失望感の裏返しでもある。既成政党の側も原発・エネルギー政策や社会保障・税制改革、憲法改正など基本政策で明確な方針を国民に示す責務がある。(宮崎日日)
各党は、野田政権が進めてきた社会保障と税の一体改革や脱原発依存、TPP交渉参加など重大な政策課題に対する評価、対案を国民に明確に示すべきだ。(琉球新報)(引用ここまで)
どうだったでしょうか?如何にデタラメか、ご理解いただけるのではないかと思います。
自民党化した民主党が自民党の「古さ」を「批判」し、そこに戻さないと強調すればするほど、自民党と一緒になって消費税増税の3党合意の不当性が明らかになるでしょう。
人気のなくなった自民党や民主党から飛び出した「連中」がつくる「新党」、超復古を掲げる維新と太陽、これを第三極としてもてはやし、共産党を枠外、リングに上げさせない、追いやっている構造があるのに、「民主党政権との決定的な対立軸は必ずしも鮮明になっていない」(西日本)などと言うのです。
自民党化した民主党との違いを強調することでしか、存在感を示せない自民党は、復古主義を強調するしかないところに今あります。そこに、この政党の古さ(既成品)があります。これを野田首相が強調し批判しました。これを受けて安倍総裁が民主党の3年間の失態について応酬しています。 でもその民主党と3合意をして悪政を「決めた」のです。茶番です。こんな政党は国民の手によって博物館行きにしなければなりません。
緒戦に観る限り、この二人は政策で論戦することはないでしょう。この二人は政策の違いはありませんので、言葉尻を捉えた醜いバトルの応酬になるでしょう。バッシングも出てくるでしょう。それで有権者は嫌気をさす。そこに第三極が入るという構造です。
いずれにしても、一部の「支配者」は、マスコミを使って、日米軍事同盟深化派・大企業養護派・憲法改悪派を挙って応援させ国民をマインドコントロールしていくのです。
こういう構造にメスを入れるためには何が必要でしょうか?
長くなりました。宿題です。