核兵器抑止力論は出口全くなし!
非人道兵器である核兵器の廃棄を北朝鮮に求めるのであれば
核兵器超保有国の核兵器はどうするのか!
アメリカの核兵器の傘の下にある日本は核兵器を容認するのか!
日本経済新聞 対北朝鮮で中ロは国際社会の結束乱すな 2017/7/9
北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施したことで、国際社会は新たな対応を迫られている。ただ、制裁による圧力の強化を目指す米国に対し、中国とロシアは追加の制裁に慎重で、調整は容易ではない。
北朝鮮の暴走にどう歯止めをかけるか。中ロを含めた国際社会の結束が試されている。
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は4日、モスクワで首脳会談を開いた。その後に発表した共同声明で両国は、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結とひきかえに米韓合同軍事演習を凍結する、という構想を提案した。
さらに、米軍による地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備計画を、即刻中止するよう求めた。
いずれも、この地域での米国の存在感を抑制しようとする中ロの戦略に沿った主張で、いささか筋違いである。両国は問題を複雑にしてはならない。
米国や日本は中ロを粘り強く説得していくべきだ。7日にハンブルクで開いた米ロ首脳会談は北朝鮮への対応で食い違いが残ったが、それを踏まえティラーソン米国務長官が「あきらめない」と表明したのは、当然である。
やはりハンブルクで8日に開いた日中首脳会談では、安倍晋三首相と習主席がこの問題で緊密に連携していく方針を確認した。今後どこまで具体的な取り組みにつなげられるかが問われる。
場合によっては厳しい措置で中ロの変化を促す必要があるかもしれない。たとえば米政府は、6月下旬、北朝鮮を国際金融システムから遮断するためとして、中国の銀行などへの制裁を発表した。
当面の焦点は、国連安全保障理事会の対応だ。ICBM発射を受けて開いた緊急会合で、米国は北朝鮮への制裁強化につながる議長声明案を提出した。
これに対しロシアは「ICBMではなく中距離ミサイルだった」「制裁は問題解決に役立たない」などと反論してきた。
日本はいま安保理のメンバーである。北朝鮮の脅威の高まりに対する危機感を率直にロシアに伝え、その理解を求めていく必要があるだろう。
同時に、北朝鮮の脅威に応じた防衛体制の強化や米韓との協力の深化が欠かせない。それは北朝鮮だけでなく、中ロへのメッセージともなるはずだ。(引用ここまで)
日本経済新聞 北の挑発に最大限の圧力を 2017/7/5
度を越した挑発と言わざるを得ない。北朝鮮がこんどは「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」と称する弾道ミサイルを発射した。
防衛省によると、北西部から発射された弾道ミサイルは1発で、約40分間、およそ900キロメートル飛行して日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。高度は2500キロメートルを超え、通常より高度を高くする「ロフテッド軌道」で打ち上げられた可能性があるという。
北朝鮮メディアは「特別重大報道」で、ICBM「火星14」の発射実験に成功したと発表した。最大高度は2802キロメートルだったとしており、飛行距離も含めて防衛省の分析とほぼ一致する。
北朝鮮は今年に入って、短距離から中長距離まで様々な弾道ミサイルの発射を繰り返してきた。ICBMと称する今回の発射で「堂々たる核強国」になったと主張した。今回のミサイルが実際にICBMだったかどうかは詳細な分析が必要だが、北朝鮮が核・ミサイル技術を着々と向上させている現実は直視せざるを得ない。
金正恩(キム・ジョンウン)政権が核・ミサイル開発に固執するのは国威発揚に加え、「核保有国」として米国との協議に臨む狙いがあるようだ。米国のトランプ政権は米本土に到達するICBMの開発をレッドラインとしているとされ、北朝鮮はその我慢の限界を試しつつ、米国の譲歩を引き出そうとする思惑もうかがえる。
国連安全保障理事会は先月、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への経済制裁を強化する決議を採択したが、効果はなかった。
先の米韓首脳会談では北朝鮮に「最大の圧力」をかけるとした。その輪を日米韓、さらに中ロに広げ、こんどこそ強力な制裁措置を打ち出すべきだろう。中ロは正恩政権に深刻な打撃を与える石油の禁輸を真剣に検討すべきだ。
ドイツで7日開幕する20カ国・地域(G20)首脳会議には関係国首脳が結集する。北朝鮮の度重なる暴挙に、結束して最大限の圧力をかけていく必要がある。 (引用ここまで)
日本経済新聞 韓国は日米との協調踏まえた対北政策を 2017/7/2
米韓同盟の重要性を確認したとはいえ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応で立場の隔たりが埋まったとは言いがたい。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪米し、トランプ大統領と初の首脳会談を開いた。
トランプ大統領は北朝鮮の核問題で「戦略的忍耐」は終わったとし、制裁を強める姿勢を強調。文大統領も「威嚇と挑発に断固として対応する」と応じた。共同声明は北朝鮮の非核化に向け「最大の圧力」をかけると明記した。
ただ、声明は「適切な環境下」で北朝鮮との対話に応じる立場も確認。南北対話に前向きな韓国側の意向も反映した。実際、文大統領は会談後の講演で金正恩(キム・ジョンウン)委員長との「対話も必要」と述べ、南北首脳会談の実現に強い意欲を示している。
革新系の文大統領は来年の平昌冬季五輪で南北合同チームの結成を提案するなど、南北融和への傾斜が目立つ。韓国大統領の任期は1期5年で再選はない。南北首脳会談を是が非でも実現すべく、早々に準備を進める意向なのだろうが、こうした立場は北朝鮮への制裁と圧力を優先しようとする米国の路線と明らかに矛盾する。
文政権は米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備をめぐっても、環境影響評価の実施を理由に本格運用を大幅に遅らせようとしている。
トランプ大統領が在韓米軍駐留費の韓国分負担の見直しや米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉に言及したのも、北朝鮮政策をめぐる文政権への不信感が一因となっている可能性は否定できない。
米国は対北朝鮮制裁の一環として、中国の銀行を初めて金融制裁の対象とした。北朝鮮と経済的な結びつきの強い中国にも圧力をかけることで、北朝鮮への包囲網を一段と強化する構えだ。
もちろん、北朝鮮との対話は必要だろうが、あくまでも核放棄が前提だ。文政権はまずは核・ミサイル開発を着々と進める北朝鮮の脅威を直視すべきだろう。今は対話より制裁を優先するときだ。
そのためにも国際社会の結束、とくに日米韓の連携は欠かせない。近くドイツで開く20カ国・地域(G20)首脳会議では日米韓首脳会談や安倍晋三首相と文大統領による初の会談が予定される。日米韓の結束を改めて確認するとともに、協調して北朝鮮に強い圧力をかけていく場としたい。(引用ここまで)