階段から頭が見えた時、
わたしはおや、とおもった。
あのひとは、
もういないはず。
立ち止まって戸惑うわたしのよこを、
知らぬ気に通りすぎる。
わたしは振り返る。
うしろ姿が見える。
消えてしまえ。
しかし。
またこの季節になれば、
必ず見えてしまうことだろう。
また見えてしまうことに。
わたしは手にしていたものを破り棄てる。
めでたいことじゃ。
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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