迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

かたりあかすもむかしなり。

2012-02-13 22:48:53 | 浮世見聞記
向かいの席に座ったその人は、わたしを見て、驚いたやうな瞳(め)をした。 わたしはてっきり、あの人がわたしの目に、再び見えてしまったのかと思った。 見たくないと願うわたしの心底を、嘲るかのやうに。 わたしはすぐに、その人はわたしを誰かと勘違いしていると思った。 そう、思うことにした。 ほら、瞳(め)が違うだらう。 宿に着いたわたしのもとに、二通の便りが届いていた。 一通は明 . . . 本文を読む
コメント