迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

櫻があるじの須磨の宿。

2022-02-13 09:12:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で、寶生流の「忠度」を樂しむ。和歌の師匠である藤原俊成に自作を數首託して西國落ちした平忠度だが、千戴集に採り上げられた一首が時勢を憚り“読み人知らず”とされたことを遺憾として、今なお娑婆の妄執から解き放たれずにゐると俊成の家臣だった旅僧に訴へる、修羅物のなかでは“文”の風雅に眼目をおいた異色の秀作。忠度(ただのり)は官職が薩摩守(さつまのかみ)であったことから、渡し舟を無賃で乗らうとする . . . 本文を読む
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