
東京都世田谷區三宿の「三宿の森緑地」のなかに、石佛や石塔がおかれてゐるのを見る。

廢寺跡を公園に整備したものかと思ったが、かつて資産家の邸宅があったところを國有地化して法務省が使用してゐたものを、さらに世田谷區の管理に移り公園となった云々。

私が見つけた石造は、資産家邸時代に庭だった名殘りだらう。

ここでも菊が見事見頃。
そして世田谷區内では、名前とそこにあることは知ってゐたが、訪れたことのない「世田谷觀音」──世田谷山觀音寺を訪ねてみる。

なかなか風格を感じさせる境内ながら、創建は昭和二十六年とまだ歴史が淺く、

睦賢和尚と云ふ僧が自力で創建し、淺草寺に請ふて本尊の開眼法會を行なった云々。

戰後の創建らしく、特攻隊員たちを慰靈する「特攻觀音堂」のあるのが特徴だらうか。
本尊の聖觀世音菩薩を安置するお堂は自由に入ることが出来、冩真撮影も可と云ふことで、合掌してから御言葉に甘へる。

願ひはひとつ。
自信のある事柄を、ただ願ふ。