迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

清香清絃。

2023-02-16 19:12:00 | 浮世見聞記


その古い家屋の二階から零れる三味線の音色(こゑ)に、私は思はず足をとめた。

二階は稽古所らしく、その陽氣な調子は民謠のやうだった。

つひ身振り手振りを付けてみたくなる、私の心にスッと染み入る絃(いと)のこゑ。


かつて私が浮世に居場所を再發見したのも、先人が遺してくれたこゑのおかげだった。


今年も春は来る。


他人(ひと)の春ではなく、自分の春を聴く。








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