
今年一月九日にホームが一面二線に切り替わった山手線澁谷驛を、初めて通る。
隣の原宿驛や近辺の千駄ヶ谷驛は、2020年のトウキョウ茶番大運動會で想定される混雑緩和のためにそれまでの島式(一面)ホームを二面化──もとも片側にあった臨時ホームを常設化した──したのに對し、

このウンザリするほど混雑する澁谷驛は逆に一面化して、面積を廣げたとはいへ、内回りと外回りの利用客が混在する環境にわざわざ改変した。

“時代と共に生まれ変はっていく最先端の街づくり”の一環なのだらうが、そのわりにはシブヤといふ街、何を目指し、何をしたいのかがよく見えてこない。

しかし、どう改造しやうと田舎上りの東京モノ氣取りと、見榮っ張りと、それらを狙ふ“すっぱ”どもばかりがゴチャゴチャと集積される掃き溜めの谷間であることに、これからも変はりはあるまい。
この日本で二番目に嫌いな場所、私にとってはこの先もただの乗り換へ通過驛であるのみに限る。