迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

鏡花が書き、清方が描き、天勝が演じ、次の時代が楽しむ。

2018-11-02 17:29:24 | 浮世見聞記
個人蔵で今回初公開の「水藝」を観に、鎌倉市鏑木清方記念美術館の「清方描く、鏡花の世界」展へ行く。


鏑木清方は親交の深かった泉鏡花の小説を数多く視覚化した日本画家であり、昭和六年(1931年)発表の「水藝」もその一つ。



原典は「義血俠血(ぎけつきょうけつ)」──後に新派が「瀧の白糸」の題で劇化して、お家藝にする作品。


この「水藝」を見たいと思ったのは、別にかの新派劇の影響ではなく──どころか、観たこともなければ、観たいとも思わない──、先月に旧川崎宿で観た「水芸」が綺麗で楽しく、



その余韻を改めて味わひたかったからだ。


澄んだ色彩の“白糸こと水島友”の姿に、「さうさう、こんな感じだった……」と思ひ返しつつ、

『……きのふはけふの昔なり』

と、長唄の一節を耳の奥で聴く。




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