
東横線の90周年を記念して平成二十九年にお目見えした二代目5000系〝青ガエル〟、約一年間の期間限定が「ご好評により」今夏まで期間延長となり、なおも「ご好評」によって、今夏からさらに「当分の間」運行を延長することが決まった。
ただし、記念ヘッドマークと側面の「東横線90周年」のステッカーは外され、そのぶんスッキリとした外観には、昔ながらの「T.K.K.」マークが一際映える。
我が尊敬する五島慶太が晩年まで強烈な個性を発揮した戦後の東急黄金時代、その象徴とも言へる〝初代〟5000系が、池上線や目蒲線を三両編成で走ってゐた晩年を、私はいまも鮮明に記憶してゐる。
そんな東急が東急らしかった時代の懐かしい〝青ガエル〟色を、さらに継続して見られることになったのは嬉しい限り。
近頃は澁谷に全面ガラス張りの危なっかしい高層ビルばかりを建てることに熱中してゐる東急だが、一方でかうした良心がまだ残ってゐることに、少しばかり安堵を覺える。
いっそのこと、永続にして欲しいものだ。
侵入する東武にも、西武にも、東京地下鉄にも無い、東急だけの色なのだから。