商店街で作ったと云ふ、マスクケースなるものを貰ふ。
まさに、令和の新道具。
さりながら、某は浮世の拗ね者でござるによって、なにか別の用途で使ふことだらう。
時流に巧く乗れる者は、かういふものを作って財を得る。
浮世ではいま、閉店や廃業が相次いでゐるやうだが、結局それらは、さうなるべくしてなってゐる氣がする。
今まで、ただそのキッカケがなかったと云ふだけで……。
これからは、無駄や過剰──不要不急は徹底的に省かれる、そんな“簡素の時代”になるのかもしれない。
つまり、必要なものだけが“生き残る”時代。
……とりあへずこのマスクケース、まだ使ひ途はない。