「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

戦跡は観光資源か ビアク島

2006-07-05 05:27:28 | Weblog
朝日新聞「週刊アジア」(6月27日)連載「楽園」(4)にビアク島が
紹介されていた。
「ビアク島は第2次大戦の激戦地で、1万を越える日本兵や現地の人
たちが命を落とした。あちこちに残る戦跡は観光資源でもある」

ビアク島はニューギニア西端にある小島(インドネシア領)で、日本軍が
ここに飛行場を建設したため、この攻防をめぐって激戦となり、1万3千人
の方が戦死している。いまだに戦死者の遺骨が放置されたままで、今年も
政府の遺骨収集団が派遣され、収集された遺骨は千鳥が淵の無名戦士墓苑
に埋葬された。

朝日の「楽園」の記事は”観光資源”の戦跡についての紹介がない。
戦跡を訪れたのであろうかー。日本兵が玉砕前に立て篭もっていた穴が
各地にある。なかには連合軍の火炎放射器で生きたまま皆殺しされた穴も
残っている。とても、正常な日本人なら、これらの戦跡を"観光資源”と
一からげにしては呼べない。

千鳥が淵墓苑を靖国神社の代替施設にしようという案が浮上している。
しかし"仏造って魂いれず”で,慰霊の心がなければ、どんなに立派な
施設を造っても”観光資源”にすぎない。自分たちの商売の守護神代りに
造った代替施設では永遠に英霊は浮かばれない。