東京・浅草寺のほうずき市がきょうまで境内で開かれている。
この日お参りすると観音さまの功徳で一日で四万六千日お参りした
と同じだけの効果がある、という言い伝えで、いつも善男善女の
参拝客で混雑している。しかし、なぜかほうずきの花言葉は「欺瞞」
である。僕は東京で生まれて75年になるが、この日に参詣
したことがない。花言葉を信じて騙されるのを嫌い参詣しなかった
わけではない。ただ機会がなかっただけのことだが。
四万六千日で売られているのは、ほうずきだが、60歳以上の我々、
とくに女性にとっては「ほうずき」より「海ほうずき」のほうが懐しい
のではないだろうか。昔はどこの縁日に行っても、あの色とりどりの
「海ほうずき」が売られていた。愚妻は海なし県の信州育ちだが
やはり「海ほうずき」に1ミリほどの穴をあけ、キュキュッ鳴らした
ことがあるという。
「海ほうずき」は” テングニシ”という二枚貝の印嚢だそうだが、
戦後海の乱開発で極端にその数が減った。そのために縁日で「海
ほうずき」を売る店もなくなり、これを噛んで鳴らす、浴衣姿の
少女もいなくなった。かくして日本の祭りの原風景も姿を消して
いった。
この日お参りすると観音さまの功徳で一日で四万六千日お参りした
と同じだけの効果がある、という言い伝えで、いつも善男善女の
参拝客で混雑している。しかし、なぜかほうずきの花言葉は「欺瞞」
である。僕は東京で生まれて75年になるが、この日に参詣
したことがない。花言葉を信じて騙されるのを嫌い参詣しなかった
わけではない。ただ機会がなかっただけのことだが。
四万六千日で売られているのは、ほうずきだが、60歳以上の我々、
とくに女性にとっては「ほうずき」より「海ほうずき」のほうが懐しい
のではないだろうか。昔はどこの縁日に行っても、あの色とりどりの
「海ほうずき」が売られていた。愚妻は海なし県の信州育ちだが
やはり「海ほうずき」に1ミリほどの穴をあけ、キュキュッ鳴らした
ことがあるという。
「海ほうずき」は” テングニシ”という二枚貝の印嚢だそうだが、
戦後海の乱開発で極端にその数が減った。そのために縁日で「海
ほうずき」を売る店もなくなり、これを噛んで鳴らす、浴衣姿の
少女もいなくなった。かくして日本の祭りの原風景も姿を消して
いった。