「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

70年前の迷子札

2006-07-11 06:00:56 | Weblog
きのう屋根裏の物置を整理していたら思わぬものを発見した。70年まえ
僕がつけていた迷子札である。小判型をした薄い, 縦4cm、横3cm
の板の表に僕の名前と当年五歳という文字、裏側に父親の名前と住所
が記載されてある。よくもこんなものが長い歳月耐え,保存されていたも
のだ。札の上部には小さな糸穴がついてある。多分着物かどかに着けて
いたものだろう。

いま自分の子供に迷子札をつけさせている親はいるだろうかー。とても
怖くて子供を一人で外へ出せない。交通量は昔と違って多いし、成人まで
拉致、誘拐される世の中だ。迷子札は意味をなさない。ペット・ショップに
「愛犬用迷子札あります」という張り紙を見た。今や迷子札はお犬様用だ。


古きよき時代ーとは老人の言う言葉だが、僕の子供時代にはたしかに社会
全体に連帯があり、信頼感があった。子供は外で自由に遊べた。かりに
子供が迷子になっても迷子札があれば、すぐ親元に連絡してくれた。自分の
勝手で近所の子供を殺害することなど考えられなかった。まちがいなく
古き好い時代であった。