「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

二人で150歳 新宿の夜

2006-07-13 05:57:21 | Weblog
昨夜タクシーで家へ帰ったのは11時近かった。中学時代の親友のおごりで
新宿三丁目の高級クラブで、したたか酩酊した。二人の年齢あわせて150
歳、孫のような若い女性を隣に侍らせて痛飲した。むかし、二人が若かりし
ころ"Too young"という歌が流行したが、本当に二人ともお若いです。

親友は旧制中学を出てすぐ実社会に飛び込んだ。日本が”いとへん"(繊維)
や"黒いダイヤ”(石炭)景気でわいていたころである。以来50数年自力で
今日の地位を築きあげた苦労人である。したがって女性との会話も巧妙で、
適当に喜ばせる術を知っている。一方、僕はといえば、ただひたすら飲む
だけである。

高級クラブは新宿三丁目にあるが、隣接の二丁目はかって日常会話で若者が
使用するのは憚れた。昭和32年4月。売春禁止法が施行されるまで、赤線
地域といって堂々と売春行為が行われていた。仕事で二丁目に出かけても
うっかり"きのう二丁目に行ってきた"などというと誤解され、ニヤニヤされた
ものだ。

あれから半世紀ちかくわが国では、売春ばかりか買春行為も禁止された。
二丁目ももちろん、むかしの面影はない。新しいビルが林立する新しい町に
生まれ変わった。変わらないのはおろかな男性だけ。人間の業なのかー。
最近も横綱後援会会長が、売春禁止法で警察に逮捕された。