「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

寂しい東京の盂蘭盆

2006-07-12 06:20:15 | Weblog
首都圏の盂蘭盆は新暦の7月15日前後である。大体は15日を挟んで
5日ぐらいではないだろうかー。東京では昔と違って家庭で盂蘭盆の
行事をする家庭がめっきり減った。したがって寺町の界隈でも行かない
限り、いまお盆であるかどうかわからない。

東京でも昭和30年代はじめ頃までは,ナスやキューリで精霊馬(牛)を
つくり、麻幹(オガラ)を焚いて迎え火(送り火)をしたものだった。
この期間、どこの家庭でも、仏壇には季節の果物や菓子を供え、夕方に
なると盆提灯に火がともるなど、なんとなく普段とは違う空気で、それが
夏休み前の一つの風物詩ともなっていた。

盂蘭盆の家庭での行事が東京の街から消えたのは、”列島改造”で各地
から東京に人が集まってきたのと関係がありそうだ。首都圏を除けば
盂蘭盆は一ヶ月遅れの8月に行われる。そして、この時期ほとんどの人が
故郷に帰ってお盆休みを楽しむ。新暦の7月にはお盆の行事はしない。
信仰心の薄くなった東京原人も、これにならって盂蘭盆の家庭での行事
をしなくなった。

日本伝来の行事だっただけに残念である。なんとか復活させたい。
”おしょろさん”といっても東京の子供たちにはわからなくなった。