「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

楽園都市ドバイが秘境だったころ

2006-07-18 06:41:13 | Weblog
知人の槙島公さんから「ドバイがクール」(三一書房=03-3812-31-31)という
本を頂いた。1977年から湾岸諸国、とくにUAE(アラブ首長国連邦)、
ドバイに関係されてきた方の本だけに”世界ナンバー1ずくめの楽園都市”
ドバイのAからZが紹介されていて実に面白い。かっては”海賊海岸”の
砂漠の中の一、ドバイが今や近未来都市をめざし飛躍中、その姿は
驚きであり、現代の奇跡でもある。

わずか44年前のことだ。僕がアラビア石油の取材の途次、ドバイに立ち
よった時は空港もなかった。(隣の首長国、シャルジャに降りた)ホテルも
なかった。小さなスーク(市場)があるだけ、町中をロバが往き来し、飲料水を
売っていた。王宮を取材するため入江を舟で行くと、トビウオが飛び込んで
きた。

槇島さんの本によると、ドバイ市内には世界一高層のホテルが建ち、六つの
滑走路(4,500m)を持つハブ空港が建設中、300もの店舗を持つ超近代
的なショッピングモールもあり繁盛している。”The world"という世界を
模した観光スポットも建設中、人口のスキー場さえある。昔のドバイを知る
者にとっては、ただただ驚きである。

”石油資源にはかぎりがある”という、先代の首長の先を見越した構想の
下に始めたドバイのプロジェクトは成功しているようだ。かっては中東の
経済センターであったレバノンは、内戦と戦火のために、その機能は今や
完全にドバイに奪われた。