「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

消えた日本のお正月 その元凶は?

2007-01-02 09:09:20 | Weblog
生まれて初めて夫婦だけでの元旦の祝膳だった。例年は階下に住む
娘夫妻が孫を連れ共に祝ったが、今年は上の孫が高校受験の年、塾
の特訓講座に早朝から弁当持参ででかけた。そこで祝膳は夕方まで
延期され、二人だけの静かな膳になってしまった。

この静かな祝膳の最中、玄関のブザーが鳴った。イヤーホン越しに
聞くと宅急便で、知人からお年賀のお菓子が届いた。有難いが、昔
を知る古い世代にとっては複雑な思いだ。かってお年賀は本人が直
接、近所や知人宅に出向き、祝辞と共に手拭や葉書を渡したものだ
った。この良習を捨てた僕ら世代には多少うしろめたさがある。

日本のゆかしい風習や行事が消えたのは戦争の結果だ。これを進駐
軍のせいにするのは酷だが、戦後日本髪に着物姿の女性は見事に街
からいなくなった。正月の代表的な遊び、羽根突き、凧揚げも消えた。
百人一首,いろは歌留多、双六、福笑いなどで遊ぶ子供もいなくなって
しまった。

この元凶はやはり戦争だ。具体的には戦後の日本人の心の変化では
いだろうかー。変な"合理性”に引きずられ、一見”理”に合わない日本
古来の伝統を切り捨ててしまった。この犠牲が正月の伝統行事であり
風習である。大手スーパーの元旦からの営業は、わが国だけのあの静
かな元旦の風景を奪ってしまった。利だけを追求した結果、日本の美しさ
を奪ってしまった。