「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

昭和26年 僕の「成人の日」の頃

2007-01-09 07:08:53 | Weblog
2000年の”ハッピー・マンデー”法以降、祝日の日が年々変わり年寄
には覚えにくくなった。きのう8日は「成人の日」だったが、1月15日時代
に比べて晴着姿の女性も心なし少なく感じた。休むことが優先されて祝
日の意義が消された結果かもしれない。

徒然ツレなるままに僕の「成人の日」の頃を想起した。昭和26年といえば、
「成人の日」が国民の祝日に制定されてまもない頃だ。昔の事はよく覚え
ている年寄だが、まったく「成人の日」を祝った記憶がない。東京に住んで
いたが、行政側からも通知がなかった気がする。

僕個人も成人式で大人入りしたという自覚もなかった。三年前大學の予科
に入学したとき、当時大人の象徴だった”酒”も”煙草”も堂々と始めていた
からかもしれない。昭和26年は9月に講和条約が締結され、連合軍による
占領が終った年だが”ノンポリ”だった僕はこれとて特に感慨はなかった。

学費は親に出して貰っていたが、生活は苦しかった。アルバイト先のゴム
工場でのスクーター・タイヤー運びの重かったこと、鉄道のケーブル運搬
が過酷だったこと。繁華街の街頭宣伝、パチンコ屋の”軍艦マーチ”のけた
たましさなどー当時のことが断片的に想い出される。

馬齢を重ねると、その年一年何があったか思い出されぬ年がある。僕が「成人
の日」を迎えた昭和26年はそんな年の一つだった。まあまあの年だったのだろう。