「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

節分、初午、バレンタイン

2007-01-27 07:14:49 | Weblog
今年の暦は2月3日が節分、4日が立春そして5日が初午と続く。
厳冬のこの時期の伝統行事として、昔は初午が節分と同じように
東京でも催され、子供たちが楽しみにしていた。初午にはお稲荷
さんで甘酒やお菓子が振舞われた。

戦前の東京には”池波正太郎”の世界が残っていた。”火事と喧
嘩、稲荷と犬の糞”といわれたほど、稲荷神社が町のあちこちに
あった。僕の住んでいた町にも二つあり、子供は初午の”はしご”
をしたものだった。

今、初午の行事は僕の住んでいる界隈ではない。なぜなくなったの
であろうかー。第一に稲荷の祠が町の開発で壊されたり、ビルの屋
上に移転してしまったのだ。それに子供の数が減って、おまけにそ
の子供たちは外で遊ばなくなってしまった。

節分の行事は残っているが”鬼は外、福は内”-昔は夕方になると各
家庭から聞こえたものだったが、あの元気な声は聞けなくなった。都
会の集合住宅では近所への配慮もあり、豆を思い切って撒けない。そ
のせいかスーパーでも鬼のお面や豆の袋は店の片隅に追いやられて
しまった。

伝統の行事を通りこして、まだ半月先なのにバレンタイン・デーのチ
ョコレートが、ペコちゃん印を除き早くも店頭に並び始めた。バレンタイ
ン煎餅も出てきた。ハート形をしていて店によってはメッセージまで書
き込み焼いてくれるのだそうだ。

世界は変わり日本も変わり、伝統行事も変わってゆく。