「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

靖国神社の”猿まわし”

2007-01-03 07:14:18 | Weblog
周囲がパソコンと無縁の高齢者なのでメール年賀は一通だけだった。その
空欄の多い受信トレイに知人からの長いメールが届いた。元旦に靖国神社
で興業された”猿まわし”への抗議である。メールによると”猿まわし”は第二
鳥居内の大手水舎の近くで行われていたそうで、英霊を祀る神域にふさわし
くないーと、これを許した靖国神社への抗議である。

僕は実際、この"猿まわし”を見たわけでもないし、神社側がこの興業を許可
したのかどうかも知らない。戦前も春秋の靖国神社の例祭には沢山の見世物
小屋や露天が並んでいたが、僕の記憶では境内横の空地だった。境内では
なかった気がする。メールの情報が正しければ、やはり戦争で亡くなった英霊
を祀る神社の神域での興業はすべきではない。これを許した神社側はなにを
考えているのかー。

小泉前総理の「靖国参拝」以後、神社への関心が深まり参拝者が増えている
と聞く。若い世代が戦争で亡くなった英霊に想いを寄せ、戦争の愚行を再考
するのは好いことだ。しかし、新年参賀をテレビCMで流したり"客寄せパンダ”
的な興業を神域でやらせるのは、どうなのかー。

宗教のことには疎いが、イスラムでもヒンズーでも仏教でも、祈りを捧げる神域
には、それなりの規制を設けている。先年、鎌倉八幡宮で外国人観光客から
巫女と一緒の記念撮影を所望されたが断られた。靖国神社は他の宗教とは
別なのかー。伊勢神宮にも明治神宮にも神々しさはある。”猿まわし”など出来
る雰囲気ではない。