「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

貧富の格差 給食のなかった時代

2007-01-30 06:54:12 | Weblog
文科省の給食費未払い調査によると、滞納総額は22億円に上り
100人に一人の家庭は支払っていなかった。ゆゆしきしき問題だ
が、滞納者の4割が経済的に支払い困難な家庭だったことは注目
されていない。高知県教委の調査では同県の滞納家庭のうち小学
校39・5%、中学校48%の保護者は経済的理由によるものだった。 

貧富の格差はいつの時代でもある。問題はその救済策だ。戦前学
校給食のなかった頃、僕らは家で作ってもらった弁当を持って登校
した。僕の通ってい東京の小学校は”芸者町”(三業地)、町工場、
商店が混在する学区だったが、毎日5、6人は弁当を持参できず、昼
休み家へ食べに帰っていた。

戦前も義務教育は無料であったが、教科書は有料、遠足、修学旅行
費などは各家庭の負担であった。昭和17年秋、僕らは伊勢、奈良、
京都へ修学旅行へ行ったが、クラス62人のうち18人が参加してい
ない。参加費が払えなかったのだ。

戦前はPTAではなく保護者会であった。保護者会費は一口20銭で、
家庭によって口数は違うが学校から渡された袋に入れて学校へ持参
した。子供の記憶なので不確かだが、貧困家庭があっても保護者会
費を支払わない家庭はなかった。あるいは先生が子供たちに判らない
よう配慮していたのかもしれないがー。

滞納家庭に督促訪問したり、裁判所を通じて法的措置をとっている教
委員会もあるそうだが、本当に支払えないのかどうか、くれぐれも精査
していただきたい。子供のためにである。