「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

アラブはアラブで スーダン人からの年賀状

2007-01-16 07:10:13 | Weblog
21年前技術研修で面倒をみたスーダン人のB君から年賀状を
貰った。B君は今UAE(アラブ首長国連邦)シャルジャで働いて
いる。スーダンはここ数年アラブ人イスラム教徒と非アラブ人キ
リスト教徒の間の衝突で政治が安定していない。このため技術
者の彼でも母国では仕事がない。

B君の日本での研修は他国の研修員と一緒に一年間同じ宿舎
に泊り大學や工場で技術を修得するものだった。その年のB君の
仲間はエジプト、シリア、コンゴ、フィリピン、インドネシア人の5人
で、3人までがイスラム教徒であった。世話人の僕を一番困らせ
たのは、同じアラブ、イスラム教徒のエジプト、シリア人二人の不
仲であった。研修にも支障が出てきたので僕はB君に二人の調
停を頼んだ。

B君は6人の中では最年少だったが、指導力があり、二人の不仲
の間に立って見事、僕の依頼に答えてくれた。やはり同じ宗教同じ
言語の人たちの問題は、異教徒,他言語の僕らには、微妙な点で
理解できないことを実感した。

昨日のニュースでイラクの大統領が21年ぶりに隣国シリアを訪問
したのを知った。個人的な小さな経験でものを言うのは僭越だが、や
はりアラブの問題はアラブで解決すべきである。異教徒があまり出し
ゃべって介入すべきではない。B君から届いた年賀状で昔を思い出し、
改めてB君に感謝した。