「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「小豆粥」とご都合主義

2007-01-15 06:49:57 | Weblog
はや1月も15日、昔でいえば「小正月」だが、東京でこの行事を
伝承、祝っている家庭は少なくなった。今朝,わが家では一種の
郷愁から”小豆粥”を復活、妻と二人で祝った。先代が生きていた
頃までは、毎年キチンと祝っていたが、転勤、引越などで中断され
たままになっていた。

わが家伝来の"小豆粥”は米からお粥をつくり、別途にゆでていた
小豆を混ぜ、焼いた御餅をいれて好みの砂糖をかけて食べるやり
方だ。妻がつくってくれた今朝の”小豆粥”もこの方式、40年ぶり
に昔の味に再会できた。

1月15日は昭和23年から半世紀以上にわたって「成人式」だった
が、もともとは「小正月」(地域にによっては「女正月」)であり、この
日に「ドンド焼き」などの行事があり、神社で正月の門松,〆飾り、
書初めなどを焼いた。場所によっては秋田の「なまはげ}や奈良の
若草山の「山焼き」もこの日に行われた。

2000年の”ハッピー・マンデイ”法で「成人式」が1月の第2月曜日
に移行して以降、本来「成人式」とは関係のなかった「小正月」などの
行事までが”右へならえ”してしまった。行事は人の集まる休日にした
方が何かと便利なことは判るがー。しかし「小豆粥」などの祝い事を本
来行事に無関係な日にやってもいま一つぴんとこない。

問題はご先祖の代から伝承されてきた折角の行事が"ハッピー・マンデイ”
的ご都合主義で中断されてしまうことだ。