梅雨の晴れ間を縫って昨日、隣の商店街まで和菓子を買いに遠征した。が、老妻
お目当ての柏餅が売っていない。女主人いわく。"もう先月で終わりました”ここの
店の柏餅は一個135円、家の近くで売っているのに比べ、量は一倍半はあり値段
も安い。 そうだ。和菓子には季節があったのだ。もう6月、僕らはいつのまにか周
囲の季節感の喪失にだまされていた。
東京では名の通った老舗の看板わけの、その店は環状7号の大通りから入った路
地にある。あまり人通りがあるとは思えないが、いつも込んでいる。店頭には色鮮や
かな紫陽花の花弁を形どったもの、冷しさを呼ぶ葛ごろも、水羊羹などがならび衣更
えされていた。自然界より和菓子のほうが季節の変化を告げてくれた。
入梅が早かったせいか、今年の東京の紫陽花の咲き具合はいま一つだが、猫の額
のような(ごめんなさい)庭に咲く紫陽花は逆に風情がある。紫陽花の花の色は七変
化するので有名だが、37年前、札幌に転勤の際一緒に持っていった紫陽花が薄紅
色から青色に変化したのを想い出す。土地の酸性度によってこの花の色が変る。
和菓子が女性の間で静かなブームだという。辛党の僕には和菓子を語る資格はない
が、なんとはなく理解できる。日本庭園をバックに着物姿の女性が茶の湯をたて和菓
子を食べるー定番の構図だが、日本の伝統の美を感ずる。和菓子屋の季節感を大切
に心意気に改めて感心した。
お目当ての柏餅が売っていない。女主人いわく。"もう先月で終わりました”ここの
店の柏餅は一個135円、家の近くで売っているのに比べ、量は一倍半はあり値段
も安い。 そうだ。和菓子には季節があったのだ。もう6月、僕らはいつのまにか周
囲の季節感の喪失にだまされていた。
東京では名の通った老舗の看板わけの、その店は環状7号の大通りから入った路
地にある。あまり人通りがあるとは思えないが、いつも込んでいる。店頭には色鮮や
かな紫陽花の花弁を形どったもの、冷しさを呼ぶ葛ごろも、水羊羹などがならび衣更
えされていた。自然界より和菓子のほうが季節の変化を告げてくれた。
入梅が早かったせいか、今年の東京の紫陽花の咲き具合はいま一つだが、猫の額
のような(ごめんなさい)庭に咲く紫陽花は逆に風情がある。紫陽花の花の色は七変
化するので有名だが、37年前、札幌に転勤の際一緒に持っていった紫陽花が薄紅
色から青色に変化したのを想い出す。土地の酸性度によってこの花の色が変る。
和菓子が女性の間で静かなブームだという。辛党の僕には和菓子を語る資格はない
が、なんとはなく理解できる。日本庭園をバックに着物姿の女性が茶の湯をたて和菓
子を食べるー定番の構図だが、日本の伝統の美を感ずる。和菓子屋の季節感を大切
に心意気に改めて感心した。