「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         海難事故と日本の中古船

2008-06-24 05:13:59 | Weblog
マニラから観光地セブ島へ向かっていたフィリピンのフェリー客船が台風による
高波で沈没、800人以上が絶望だという。フィリピン海域は”台風銀座”。第二次
大戦中の昭和19年12月、アメリカ第3艦隊が台風に遭遇、駆逐艦数隻が沈没し、
800人が死亡した、という記録もあるほどだ。

フィリピン最大の海難事故は昭和62年12月、タブラス海峡ででタンカーと衝突して
沈没した貨客船「ドニャ・パス」で、4375人が行方不明となっている。この船はかっ
て琉球海運に所属していた「ひめゆり号」であった。平成19年ジャワ沖で沈没した
カリマンタンと中部ジャワを結ぶ定期フェリー「センパティ」も瀬戸内海航路の日本
の中古船であった。

フィリピンやインドネシアなどの多島国家では、フェリーは庶民の足だが、大型船
の建造能力がない。そのため日本の中古船を購入することが多い。現にセブ島で
就役している「Cebuferry 1」 も最近まで南海フェリーで活躍していた。42年前、
僕はスマトラのメダンからジャワのタンジュン・プリオクまで乗った船は、かって引揚
船として活躍した「興安丸」で、当時すでに船齢30歳の老船だった。船舶不足から
インドネシア政府が、日本の民間会社から船員ごとチャーターしていた。

わが国の造船技術は高く、中古船でも十分安全だと、僕の知り合いのシンガポール
の友人がいっていた。彼は定期的に日本の中古漁船の買い付けにやってくる。彼の
話では、事故の多いのはメンテナンスに問題があることや定員以上に客を乗せたり
する規則違反からだという。もし人為事故が原因ならば、痛ましい。