「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           若者よ いつでも夢を!

2008-06-11 05:08:40 | Weblog
高度成長期の昭和37年(1962年)「いつでも夢よ」(作詞 佐伯孝夫、作曲 吉田正)
という歌が流行した。この歌の三番”言っているいる、いつでも夢よいつでも夢よ”ー
の橋幸夫と吉永小百合のデュエットは今でも僕の耳に残っている。東京五輪を二年
後に控え日本中がなにか左上がりの時代だった。

昨日の小ブログに対するchobimameさんのコメント「夢のない若者」の時評は、まった
くその通りだ。今の時代の若者にはまったく夢がない。ないというより社会が彼らに
夢をあたえていないのかもしれない。

一昨夕、老妻が近くのお寺で催された落語会から帰り、驚いて報告した。近所の地主
の孫が前座に出ていたというのである。前座君の家は昔からの地主だが、父親は大
手会社のサラリーマンで、落語家とはほど遠い。

今は誰でもが進学塾に行き、一流大学を出て一流会社に勤めたいという風潮が都会
にはある。僕にはあまりにも夢がなさそうに見える。その点、前座君には夢がある。将
来、真打になり売れっ子になるという夢である。日本の宇宙実験棟「きぼう」取り付け
に成功した星出彰彦さんは4歳の時から持ち続けてきた宇宙飛行士になる夢を実現し
た。

「いつでも夢を」が流行した年、僕は初めて海外旅行に出かける幸運に恵まれた。当時
は渡航の自由化前で、誰もがが海外旅行へ出かけることは出来なかった。「世界の秘境」
といった雑誌が売れていた。まだ飛行機に乗ることが子供たちの夢であった。