「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        ”通り魔”事件 犠牲をムダにするな。

2008-06-13 05:00:22 | Weblog
秋葉原の”通り魔”事件の現場の献花台に花束が積まれ、若い人が合掌している姿
を見ると本当に胸が痛む。遺族や関係者だけでなく買物に来た一般の人まで罪もな
く犠牲になった人の霊に頭を下げている。これを見て改めてこのような惨事がなぜ事
前に避けられなかったのか残念に思う。

男はネットで犯行予告を書けば、これを見た誰かが警察に知らせ、事前に自分の犯行
を止めてくれると思っていたという。たしかに彼の犯行予告を見た人がプロバイダーに
連絡したが、プロバイダーが土日で休み、警察まで通報が届かなかったらしい。事実と
すれば残念だ。

これだけ犠牲者を出した凶悪事件なのに、男の逮捕で”幕引き”になってしまうのだろ
うかー。やがて男が裁判にかけられ処罰されて、それで終わってしまうのだろうかー。
それだけでは、あまりにも犠牲は大きすぎる。だれに責任があるという事ではなくて
国は事件を教訓として、なぜこのような事件がおきたのか真剣に検討してもらいたい。

政府は事件を受けてインターネットの犯罪予告を検知するソフトの開発に来年度予算
をつける方針だという。それもよいが、もっと根源的な問題、例えば、今わが国の大き
な社会問題の一つとなっている”派遣”というゆがんだ労働形態に目をむけ、メスを入れ
るつもりはないのかー。

25歳の”狂った”男の犯罪として片付けるのではなく、”狂った”社会の問題として事件を
とらえ、犠牲者の死をムダにしてもらいたくない。