「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              東京のメダカ

2008-06-25 04:48:38 | Weblog
絶滅したと思われていた純粋種の東京のメダカが杉並区の個人の住宅の池で発見され
た、と昨日のNHKテレビが伝えていた。このメダカはDNA鑑定の結果、東日本一型という
東京の純粋のメダカと認定された。なにかエコ時代に相応しいほのぼのとした話題だ。

発見されたのは,須田孫七さん(77歳)の庭の畳二畳ほどの池で、20匹が生息していた。
このメダカは須田さんが少年時代の戦争中、近くの田圃から捕ってきて家の防火用水に
ボーフラ退治用に飼っていたものだという。いかにも時代を感じさせる。戦前、まだ杉並に
は田圃があったし、家々の前にはどこも空襲のさいのコンクリートの防火用水が置いてあ
った。そして蚊の幼虫のボーフラに悩まされていたのだ。

戦前、僕の住んでいた五反田でもメダカが捕れた。家の近くの白金の聖心女学院の庭に
はきれいな小川が流れていて、僕は庭に忍び込んでメダカや大きなオタマジャクシを”盗
み”捕った。学校の水泳プールにもトンボの幼虫のヤゴや水すましが泳いでいた。

戦中戦後の60年余、メダカにとってもきびしい時代だったが、よくぞ生き延びていてくれた
ものだ。須田さん宅の貴重なメダカは種の保存のため、近くの学校にも配られるとのこと。
文字通り「メダカの学校」である。
         ▽「メダカの学校」(作詞 茶木滋 作曲 中田喜直)
          メダカの学校は 川の中  そっとのぞいてみてごらん
          みんなで お遊戯しているよ
昭和26年NHKの「歌のおけいこ」から。