「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      無名校の活躍で面白かった「センバツ」

2009-04-03 08:13:36 | Weblog
久しぶりに「センバツ」が面白かった。優勝した長崎清峰の今村投手と負けたが
準優勝の花巻東の菊池投手の右左の投げあいもさることながら、高校球界では
あまり名門ではない両校選手の野球への真摯な取り組みがよかったし、試合後
の監督の談話も新鮮な感じがした。

このところ高校野球といえば、都会のいわゆる名門校の活躍がめだち選手も他所
からの"輸入”が多く、僕みたいな、その土地にこだわる偏屈者には面白くなかった。
その点、今年の長崎清峰は長崎県勢としては始めての優勝であり、花巻東に至っ
ては「センバツ」での準優勝は東北全体でも始めての快挙だ。

長崎清峰は長崎市にあるのかと思ったら,北松浦郡佐々町という人口1万人足らずと
いう小さな町にある。一方の花巻東も北上平野の人口10万少しの小都市にある。い
ずれも、戦後昭和27年の創立で、その県を代表するような伝統校ではない。

佐々町は佐世保市のベッドタウンだそうだから、大体の位置関係はわかるが、花巻
市といっても、岩手県のどこにあるのかさえ、他県人にはわからない。だけど調べて
みたら、かの有名な"雨にも負けず、風にも負けず”の詩人、宮沢賢治の出生地であ
り、5千円札の肖像にもなった新渡戸稲造の生まれた場所でもあった。東北人は地味
でめだちたがり家は少ない(例外もあるが)といわれているが、今年の花巻東の活躍
は、この従来の評を打ち消すにあまりあるものがある。宮沢賢治や新渡戸稲造を越え
るものがある。