昨夕、一泊二日の旅から帰って、家に溜まっていた二紙(朝日、産経)に目
を通した。産経には一面に三段で大きく上坂冬子さんの死去を伝えていた。
一方、朝日は一行も記事もない。両紙の姿勢の違いかなと一瞬思ったが、
朝日も前日の夕刊で二段扱いで報道していた。僕の思い過ごしであった。
上坂冬子さんとは面識はないが、同じ東京生まれで同じ年生まれ。戦中戦
後のあの時代について同じ体験をしている。そんなことから彼女の書いた作
品には共感がある。しかし、彼女独特のフィルターで書いているものもあって
全部が全部ではない。が、彼女の絶筆に近い記事「郷愁誘う戦時下の童謡」(産
経新聞3月21日)には同時代人として拍手を送った。
上坂さんも僕も日支事変の始まった昭和12年に小学校に入学,20年、中学校
3年の時に敗戦を迎えている。つまり義務教育の9年間が戦争であったわけだ。
彼女は上記記事のなかで「戦時中に歌われていたのを軍国歌謡として毛ギラ
イする人もあるが、あまりにも浅はかだ」と批判している。僕も同意見だ。あの
時代、僕ら銃後の少年少女にとって軍国歌謡しかなかったわけだ。
戦争を賛歌するのではない。戦争だった時代の史実を歌を通じても残すべきだ
というのが僕の意見だ。数年前、多摩市で開かれた童謡を歌う会の印刷物に
「空の新兵」とあった。"みよ落下傘空を行く”で始まる、この歌のタイトルは「空
の神兵」でなくてはならない。
上坂冬子さんの御冥福をお祈りします。
を通した。産経には一面に三段で大きく上坂冬子さんの死去を伝えていた。
一方、朝日は一行も記事もない。両紙の姿勢の違いかなと一瞬思ったが、
朝日も前日の夕刊で二段扱いで報道していた。僕の思い過ごしであった。
上坂冬子さんとは面識はないが、同じ東京生まれで同じ年生まれ。戦中戦
後のあの時代について同じ体験をしている。そんなことから彼女の書いた作
品には共感がある。しかし、彼女独特のフィルターで書いているものもあって
全部が全部ではない。が、彼女の絶筆に近い記事「郷愁誘う戦時下の童謡」(産
経新聞3月21日)には同時代人として拍手を送った。
上坂さんも僕も日支事変の始まった昭和12年に小学校に入学,20年、中学校
3年の時に敗戦を迎えている。つまり義務教育の9年間が戦争であったわけだ。
彼女は上記記事のなかで「戦時中に歌われていたのを軍国歌謡として毛ギラ
イする人もあるが、あまりにも浅はかだ」と批判している。僕も同意見だ。あの
時代、僕ら銃後の少年少女にとって軍国歌謡しかなかったわけだ。
戦争を賛歌するのではない。戦争だった時代の史実を歌を通じても残すべきだ
というのが僕の意見だ。数年前、多摩市で開かれた童謡を歌う会の印刷物に
「空の新兵」とあった。"みよ落下傘空を行く”で始まる、この歌のタイトルは「空
の神兵」でなくてはならない。
上坂冬子さんの御冥福をお祈りします。