「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           老人介護 施設が立派でも

2009-04-18 16:22:44 | Weblog
40年ほど前勤務していた会社のOB会に出席した機会に老人介護施設で脳梗塞後
のリハビリ治療をしている先輩を見舞った。80歳をすぎてもゴルフを楽しむほど元気
だった先輩だが、2年前、先輩の言葉を借りれば、それが逆に身体への過信になって
倒れてしまった。夏の暑い日、水を飲まずにウォーキングしたのがよくなかったのだそ
うだ。

先輩の入っている施設は、昔は畑だった郊外にあり、整形外科病院に隣接した三階
建ての瀟洒な建物だ。先輩はその三階の窓に面した4人部屋で治療に当たっている。
右半身麻痺で、車イスの生活だが、血色もよく言語の障害もそれほどなく安心した。
施設には100人をこす老人が生活しているが、施設は清潔で介護の職員も皆、親切だ。
このような介護施設で老後を送れるのは、恵まれている。

昔、老人施設が「養老院」と呼ばれてていた時代、僕は仕事で訪問したことがあるが、
老人たちは陽も当たらない畳の大部屋で手内職をしていた。その時の暗い惨めなイメー
ジがいまだに脳裏に残っている。あの当時に比べれば、日本の老人福祉は格段によ
くなってきた。

懸命でリハビリに努めている先輩をみて僕は安心し感心した。とても僕には出来ない。
それと、わがままな僕は、とうてい家族から離れて施設での生活が送れるだろうか。
いかに施設が立派でも耐えられるだろうか。難しい問題だ。