「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”死に至る病”だった結核

2009-04-08 06:35:27 | Weblog
女性お笑いコンビ「ハリセンボン}の箕輪はるかさん(29)が肺結核で入院して
いる、と新聞に出ていた。僕らの世代までは、結核は 不治の病とされ、公然と
人前では、結核に罹ったことなど、言わなかったし,言えなかった。今だったら他人
が、言いふらしたりすれば、人権侵害で訴えられても不思議ではなかった。

今年の結核予防全国大会に出席された天皇陛下が、かって20歳だった時、ご自
身が結核にかかり、新薬の「ストレプトマイシン」や「ヒドラジット」の世話で全治した
ことを明らかにされた。当時、皇太子殿下が結核に罹っていたことが公表されれば
一大事になったであろう。だから多分、宮内庁が”トップ・シークレット”として公表し
なかったのだろう。

僕の1人だけの姉も昭和19年5月、肺結核で亡くなっている。戦争中から戦後にか
けては食糧事情が悪く、過労から結核が蔓延した。僕の周囲の友人にも若い時、
結核に罹った者が多いが、天皇陛下と同じように戦後新薬が出回ってからは完治
している。

今は結核は”死に至る病”ではなくなった。それでも人口10万人当たりの感染者は
20人近くあり、西欧諸国よりは多いということだ。結核というと、昔は学校でツベル
クリン反応の注射をし、陽性者にはBBC注射をしたが、今では生後6か月未満に一
回するだけになった。医学は日進月歩である。箕輪はるかさん、心配しないでしばらく
休養してお笑いのネタを仕込んでください。