「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             帰化植物の繁殖力

2009-04-25 05:46:52 | Weblog
路傍のコンクリートの割れ目から紅色をした可憐の花が顔を出していた。老妻に
聞くと、帰化植物の一種で「ナガミ・ヒナゲシ」というケシ科の一年草だという。40
年ほど前、東京の世田谷で発見され、在来のヒナゲシ(虞美人草)を追いやるほ
どの勢いで全国に繁殖しているとのことだ。

僕はナガミ・ヒナゲシがコンクリートの壁を破るようにして、健気に咲いている姿が
面白くレンズに収めたが、なぜかこの花はアルカリ性の土壌を好むのだそうだ。そ
ういえば、咲いている場所は、どこも舗装された道路脇などに多い。

東京工業大学のキャンパスで巣造りを始めた外来種のインコが、大挙して家の近
くのお寺の森に飛来してから久しい。動物や植物の世界にも国際化の時代が来て
いるのだろうか。「ナガミ・ヒナゲシ」は、もともと地中海沿岸から中欧にかけてが
原産地なのだという。初めてこの花の存在が確認された40年前といえば、日本人の
海外渡航が許された頃だ。それまではハワイ旅行も”あこがれ”の時代であった。

「ナガミ・ヒナゲシ」は、今やものすごい勢いで繁殖しているらしいが、役所の除草
の予算がつく5月頃には、すでに花は散り枯れ死しているため、除草が出来ないとの
ことだ。花は可憐だが、憎まれ者なのは可哀そうだ。