「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            超高齢者の老老介護

2010-09-06 04:57:04 | Weblog
大正4年生まれ、95歳の先輩から手紙を頂いた。長年、ご自分の手で介護されてきた
奥様が、とうとう有料老人ホーム入りすることになった、と寂しい文面である。先輩の
奥さんは7月末に救急車で搬送され、その後退院したが、容態が思わしくなく,お子さ
んたちが心配してホーム入りを勧めたようだ。昨日、僕がお見舞いをかねて電話したと
ころ、ご夫婦とも知り合いの房総の老人ホームに入ることになったそうである。

超高齢化社会である。僕の周囲にもともに80歳を越えた元気なご夫婦が大勢おられる。
だが、皆、今は元気だが、問題は夫婦のうちの一人がいつ倒れるかもしれないという不
安である。核家族化が進み、ほとんどが子どもとは同居していない。詳しいことは知ら
ないが、95歳の先輩ご夫婦も二人だけで生活していたようだ。

毎月、高額な介護保険料を支払っており、最近は介護施設も充実してきたと聞く。が、明
治大正生まれの超高齢者の中には、出来れば国のお世話になりたくないという気持ちか
らか、最後まで夫婦だけで庇いあって生活したい傾向があるようだ。なんとはなく、先輩の
話の節々にもそれが感じられた。

年寄りになると頑固になる。多分、先輩の周囲の家族の方も先輩夫妻の老人ホーム入りの
説得には苦労されたと思う。結局、先輩の奥さんは房総の施設まで搬送できるまで体調が
戻っておらず、先輩一人が入所することになった。超高齢者社会が、すぐ目の先に来ている。
色々と考えさせられた。