「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       ”すすきのお化け”に秋を見つけた

2010-09-19 06:25:21 | Weblog
9月半ばを過ぎて、やっと秋が東京にもやってきた。その秋を求めて近くの大学キャン
パス跡に出かけたら、群生したすすきのお化けのようなバンバン・グラスが、いつのま
にか僕の背丈よりも伸びていた。見上げた青空は明らかに秋の空であった。(写真)

万葉の歌人、山上憶良は千数百年前の昔”秋の野に咲きたる花を指(および)折り、か
き数ふれば七種(ななくさ)の花、萩が尾、尾花、葛花、撫子の花、女郎花(おみなえし)
また藤袴(はかま)、朝貌(あさがお)の花”と歌った。

21世紀の武蔵野には、もうこの秋の七種の花は見つけにくい。とくに今年は猛暑の影響
なのかもしれない。2泊3日の新潟への老人会の旅から帰ってきた老妻がいうには、関越高
速道路脇のすすきは、旱天に枯れて穂も見られなかったという。

バンバン・グラスは、ものの本によれば、アルゼンチン温帯草原(パンパス)が原産だとい
う。いつ頃日本に渡来してきたものだろうか。もちろん万葉の時代にはなかったはずだ。ネ
ット情報によると、天草地方に群生地があるという。もしかすると、馬鈴薯と同じように南米
からヨーロッパを経て南蛮船でやってきたのかもしれない。

最近は生け花などにも使われているそうだが、日本古来のわび、さび文化には似つかわし
くない。俳句の季語はやはり秋なのだろうかー。