「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       中国人船長の釈放と日本の敗北

2010-09-25 05:12:58 | Weblog
尖閣諸島沖で不法漁業して日本の巡視船に体当たりして公務執行妨害で逮捕されていた
中国漁船の船長が、昨日沖縄地検から処分保留のまま釈放され、中国政府がチャーターし
た特別機で帰国した。裁判所から先日、身柄の勾留延長が許可になったばかりなのに、処
分保留の釈放はまったく唐突の感がする。おまけに釈放理由とした”日本の国民への影響や
日中友好を配慮して”とある。

仙谷官房長官は”那覇地検の独自の判断だ”としているが、一地方の検事が国益にも関係
するような重大決定を、しかも上記コメントまでつけて発表するとは常識では考えられない。誰
がみても政府の国策意思が働いており、その責任を地検に転嫁したとしか思えない。

今回の「尖閣問題」は残念ながら日本側の敗北である。原因は日本側の”腰を引いた”弱腰の
態度である。漁船の船長のとった行動は犯罪である。政府の方針どおり、国内法にしたがって
”粛々”と行う一方、犯罪の証拠となるビデオテープを国内外に示すべきであった。しかし、日本
側のとった措置はいち早い船員の釈放であり、船長と在日中国関係者との接見許可であった。

中国側の異常ともいえる対応は日本政府の想定外だったのかもしれない。菅総理が”冷静”に
”粛々”と言っていたに対し、中国は温家宝首相が先頭にたって次々と対抗措置をとり揺さぶり
をかけてきた。

”鈍菅”総理は、船長の釈放で問題は全部解決すると思っているようだが、中国側は漁船船長
の”不法逮捕”に対して抗議し、補償を求める方針だという。まさか補償金を支払うとは思わない
が、今の腰抜けぶりをみていると判らない。小沢一兵卒にお願いして大謝罪団を派遣して収拾
しようとでも思っているのだろうか。