「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        高齢者の転倒事故の危険

2010-09-13 05:26:02 | Weblog
クレージー・キャッツの谷啓さん(78)が急死した。同世代の一人としてショックだ。
新聞報道によると、谷啓さんは自宅の二階への階段を登ろうとして、つまづき前
のめりに転倒して頭を強打したのが原因だとのこと。病気ではなく、いってみれば
事故死なのである。

年をとると誰も足腰が弱くばってくる。僕も70歳代前半までは毎朝元気に最低5千
歩は歩いていたが、最近はめっきり弱くなり、自宅の外の階段の上り下りにも手す
りのお世話になっている。うっかり足を踏みはずし転倒するのが恐いのである。寝
たきり老人のほとんどは転倒によるものだそうだ。

転倒は老人でなくとも恐い。老妻の妹は十数年前、住んでいた集合住宅の同じ棟の
隣人の引越しの手伝いをしていて、階段で足をすべらし、頭を強打、谷啓さんと同じ
脳挫症で死亡している。打った直後はたいしたこととは思わなかったが、打ち所が
悪かったのである。まだ50歳代の若さであった。

最近、病院や老人施設では、高齢者の転倒防止のバリア・フリー化が進んでいるが、
公共の交通機関を始め、街中の施設はまだまだである。いわんや昔から住んでいる
自宅などは、年寄りにとっては危険である。僕の実際の体験でもスリッパーを履き損
なって危うく転びそうになった。

スイスでは高齢者の死亡原因の第4位は事故死で、その事故死の半分以上は転倒
によるものだという。転ばぬ先の杖というが、僕ら老人は、もう一度、自分の住んでい
る周囲を点検してみよう。