秋の彼岸の最後の日、谷中霊園に墓参に行った帰途、「夕やけだんだん」商店街へ足を
のばした。JR日暮里駅から谷中銀座にかけ長さ4・4㍍、36段の小さな階段がある。この
階段からの夕焼の美しさと谷中銀座商店街の下町の雰囲気のコラボレーションで今や「夕
やけだんだん」は東京の観光スポットの一つになってきた。
「夕やけだんだん」は休日なこともあって大変な人出、商店街は店によっては長い行列まで
出来ていた。老妻も列に並んで一個30円のコロッケやら100㌘100円のひじきの惣菜など、
500円もの買物をした。こういった安い”おふくろの味”は、残念ながら最近は僕らの住んで
いる山手では手に入らなくなった。思い出してみると、昭和30年代頃までは僕らの住む商店
街でも対面で買える店が多かったが、今は姿を消し、鮮魚店にいたっては一軒もない。
時代の移り変わりで仕方がないのかもしれない。夕焼け空に白い割烹着を着て買物ザルを
さげた主婦の姿は、今や漫画の「さざえさん」の中だけである。「夕やけだんだん」界隈の賑
わいの背景の一つには人々の「さざえさん」的原風景に対する郷愁があるのかもしれない。
(「夕やけだんだん」をバックにした写真=逆光線)
のばした。JR日暮里駅から谷中銀座にかけ長さ4・4㍍、36段の小さな階段がある。この
階段からの夕焼の美しさと谷中銀座商店街の下町の雰囲気のコラボレーションで今や「夕
やけだんだん」は東京の観光スポットの一つになってきた。
「夕やけだんだん」は休日なこともあって大変な人出、商店街は店によっては長い行列まで
出来ていた。老妻も列に並んで一個30円のコロッケやら100㌘100円のひじきの惣菜など、
500円もの買物をした。こういった安い”おふくろの味”は、残念ながら最近は僕らの住んで
いる山手では手に入らなくなった。思い出してみると、昭和30年代頃までは僕らの住む商店
街でも対面で買える店が多かったが、今は姿を消し、鮮魚店にいたっては一軒もない。
時代の移り変わりで仕方がないのかもしれない。夕焼け空に白い割烹着を着て買物ザルを
さげた主婦の姿は、今や漫画の「さざえさん」の中だけである。「夕やけだんだん」界隈の賑
わいの背景の一つには人々の「さざえさん」的原風景に対する郷愁があるのかもしれない。
(「夕やけだんだん」をバックにした写真=逆光線)