「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           新聞二紙を併読してみたがー。

2011-09-04 06:07:28 | Weblog
老妻の手違いから9月から新聞2紙を購読するハメになった。年金生活の高齢者にとっては経済的に負担だし、老人にはもう、そんなに多くの情報は必要ないのだが。でも、毎日ブログのネタさがしに汲々としている僕にとっては情報は多いほどよい。

新聞が面白くなくないと、言われてから久しい。どこの新聞社も購読者数が減り、経営を圧迫しているという声を聞く。ネット時代である。新聞はわざわざ購読しなくとも読める。ニュースの即時性でもテレビには勝てない。新聞も新時代に即して、活字ならではの解説や話題を提供しているようだが、若い世代の新聞離れはとまらないという。

たまたま半世紀以上も前、僕が社会部の駆け出し時代書いた記事がスクラップ帖に残っていた。”サツまわり”といって警視庁管内の警察署まわりをしていた時代のものだ。僕は当時、上野、浅草、谷中、坂本、蔵前という都心の5警察署を担当、主として警察が発表する事故事件を記事にしていたが、同時に管内の"マチ種”という催しや出来事も取材していた。

二紙を併読して喜んでいるのは女性たちだ。これまでに比べて折り込み広告の量が圧倒的に大きくなった。スーパーやドラグストアの安売り、宅配寿司から墓石の販売、求人広告など地域社会の情報にはこと欠かない。これに比較して、どの新聞も僕らが足で歩いて取材していた頃の"マチ種”がまったくと言って良いほどない。「三丁目の夕日」の時代には街中の小さな交通事故でも記事になり、読者も翌日これを確認してホッとしていた。くだらないスカートの中の盗撮などを伝えるより街中の美談を伝えた方が好いと思うのだが。