「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       公務員宿舎の建設とギリシャ経済危機

2011-09-28 05:45:07 | Weblog
行政刷新会議で事業仕分けの対象になった朝霞(埼玉県)の国家公務員の宿舎の建設が総工費105億円という巨額のおカネをかけて始まった。折も折、国会では震災復興資金をめぐって論議されている。仕分けを決めながら、僅か1年でこれを撤回するのは、いかにも民主党らしいが、ぼくら庶民には、その感覚がわからない。民主党はやはり総理の顔を変えたにすぎない。

公務員宿舎は鉄筋13階建てで全部で850戸、うち550戸は独身者向けだという。埼玉県にあると言っても、東京(池袋)から電車で30分たらずの好立地にある。先進国G7の国の中で公務員住宅や国会議員宿舎があるのは日本だけであるそうだ。それに人事院の統計によると、国家公務員の平均年収は662・5万円とはるかに民間企業のそれよりも多い。なぜ、こういった恵まれた公務員にわざわざ宿舎を建設する必要があるのだろうか。

欧州を襲っている金融危機は深刻度を深めており、わが国経済にも影響を与えている。その発端といえば、ギリシャの国内政策の杜撰さからきている。人口1,100万人のうちなんと、その四分の一が公務員であり、その公務員の年金が55歳から支払われているというから驚きだ。緊急策として3万人の整理を断行するようだが、果たしてこれで成果があるかどうか疑われている。

日本はギリシャと違い公務員の数はG7の中で一番少ないという説がもっぱらだ。統計上は、たしかにそうかもしれないが、”隠れ公務員”といわれる公益法人の数をいれたらどうなのかー。やはり、僕ら民間人の感覚では、公務員は何かと恵まれているようにみえる。民主党はマニフェストで公務員の2割削減をうたっていたはずだが、やることは新たな宿舎の建設など逆である。