「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     八重山教科書採択 沖縄県教委のおかしな介入

2011-09-11 06:22:43 | Weblog
来春から沖縄県の八重山地区で使用が決まっていた中学公民教科書が事もあろうに県教育委員会の介入で覆るという事態が起きている。八重山地区での育鵬社版の使用は正式の手続き経た上での決定なのに県教委は、これに反対する勢力の支援を得た県教祖などの圧力に負けての介入だ。民主主義教育の根源にかかわる前代未聞の事態だ。

事の起こりは8月23日、石垣市と与那国、竹富ニ町でつくる「八重山(教科書)採択協議会」が育鵬社版の公民教科書の選定を決定した。しかし、竹富町が協議の段階で異議があったため、県教委が中に入ったが、仲介ではなく、すでに合法的な手続きの採択決定まで強引に撤回させてしまった。民主主義の国ではありえない措置だ。

県教委のこの強引な措置の背後には”新しい教科書をつくる会”の流れをくむ育鵬社に反対する勢力とこれに支持された県教祖、さらには、これをバックアップする地元のマスコミの圧力があることは明白だ。その実態については、地元のブログ「狼魔人日記」に詳述されている。お読みになることをお勧めする。

反対勢力の中心人物は高嶋伸欣・琉球大学名誉教授(69)だ。高嶋氏は教科書裁判で有名な故家永三郎教授の筑波大学時代の教え子の一人で、自身も文部省(当時)を相手に自分が執筆した文の削除をめぐって裁判を起こしたが、2005年最高裁で上告棄却され敗訴している。この経歴でもわかるように学者というより”活動家”で、沖縄だけではなく育鵬社の教科書の採択がきまった今治市にまで出かけ、抗議運動している。

沖縄は戦争中地上戦の戦場になり、住民の五人に一人が犠牲になっている。戦後も基地問題がいまだに片付かず犠牲を強いられている。その点は僕も十分理解し、同情しているのだが、戦争を体験もしていない、高嶋氏のような一方に偏った、しかも誤まった歴史観の持主の煽動に乗るのか理解できない。文科省はこの沖縄県教委の異常な介入に断を下すべきである。