「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     小宮山厚労相、三割負担の後期高齢者もいます!

2012-03-07 06:58:57 | Weblog
昨日の衆院予算委員会で自民党の小泉進次郎議員が70歳から75歳までの医療費自己負担率を現行の1割から3割に引き上げるべきだと質問した。医療費の世代間格差を是正するためには僕もこれに賛成である。厚労省の医療費委員会からも確かそうすべきだと答申が出ているはずなのに民主党政権は、なぜそうしないのか疑問だ。選挙の際、票に響くとでも思っているのだろうか。

驚いたのは小宮山厚労相の答弁である。小泉議員の質問に対して75歳以上の後期高齢者の医療費自己負担率は1割だと、当然なように答えたことだ。冗談ではない。僕は80歳を越えているが、現実に病院の窓口では3割支払っている。確定申告には平成23年度分として19万円、老妻は5万円支払った証明書を添付した。後期高齢者保険、介護保険を支払った上での額である。年金生活が主体の老人にとっては、かなりの負担である。僕の親友の一人は91歳だが、6年間の戦地勤務の軍人恩給が年金に加算されて3割負担である。

超高齢者社会である。老人の医療費が社会保障費全体の足かせになっている。3割負担といっても残り7割は国が支払っている。年金以外に多少収入がある者が3割負担するのは仕方がないことだと思っている。しかし、後期高齢者医療制度が適用される以前は僕らも1割負担であった。75歳という年齢によって”線引き”するのは差別だというのが、この医療制度への反対理由とされているが、少数とはいえ、負担額が3倍になった犠牲者もいる。

70歳―75歳の前期高齢者の窓口負担を一律2割にすれば、確か6千億円が節約になるという。91歳の末期高齢者が3割負担していながら、20歳も若い前期高齢者が1割負担というのは小泉議員みたいな若い人だけでなく、後期高齢者の僕がみても不公平で理にかなわない。