「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              地に落ちた法務大臣の資質       

2012-03-13 06:43:38 | Weblog
昨日の参院予算委員会の国会中継をみて僕は、ここまで政治家の質が落ちてしまったのかと慨嘆した。それは小川敏夫法務大臣が国会内で自分の競馬馬の調整模様をケータイで見たという、疑惑についての答弁である。自民党の世耕弘成議員の質問に対して、国会内でケータイを見てはいけないという規則はない、と自分を正当化するだけである。非常識だったという意識は全くないようだ。

法務大臣といえば、法の番人である。大臣の中でも一つ上の存在だと国民は思っている。その大臣が先月29日、野田総理と谷垣自民党総裁らとの党首会談に先立って、国会委員室で自分の持ち馬の調教模様をケータイで見ていた。小川法務大臣の答弁は委員室に時間より早く到着、党首会談まで時間があったので見ていただけだ。国会規則には休会中の国会内でケータイを使ってはいけないという規則はない、というのである。

見事な白髪の持ち主だが、言っていることはまるで”ガキつ子”である。東日本大震災後の日本の現状は政治の混乱もあって「国難」と表現する政治家さえあるほどだ。震災から1年経ってもいまだに30万人もの方が仮設住宅にくらしており、原発事故によって6万人が避難生活を送っている。こんな状況下、震災からの復興を政策の第一に掲げている内閣の一員が、法には反しないかもしれないが、ケータイで持ち馬の調教をチェックしていたというのは、とても一般国民には理解できない。

小川法務大臣は二頭の競馬馬を所有しているそうだ。世耕議員が大臣就任中は馬主を辞退したらどうかと質問したが、大臣は競馬馬の所有は自分の趣味だと、突っぱねていた。趣味はやめろとはいわないが、被災地の復興を考えれば、競馬で儲けた賞金ぐらい被災地に寄贈したらどうか。十分な議員歳費をもらっているはずだ。法務大臣の資質も地に落ちたものだ。