「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

               "クンロク”六大関時代

2012-03-26 06:53:57 | Weblog
昔”クンロク大関”という言葉があった。”クンロク”とは元々麻雀の点数俗語で、9,600点のことを指すが、これが相撲界では毎場所9勝6負の成績しか上げられない大関の陰口となった。日本中のサラリーマンが麻雀に夢中になっていた昭和40年代の頃の話だ。

若貴横綱の父親、初代貴ノ花も”クンロク”大関であった。昭和47年11月場所、直前3場所の成績が33勝12敗で、一応規定に達したので大関に昇進した。が、その後の成績がよくない。9勝、8勝、0勝、8勝、8勝、9勝と1年間2ケタの勝利をあげていない。典型的な”クンロク”大関だった。

昨日千秋楽の大阪場所は、関脇鶴竜の大活躍で白鵬との優勝戦には負けたものの13勝を挙げ、来場所は大関に推挙される。そうなると来場所は大相撲史上初めてという六大関になる。それは結構な話だが、今場所の5大関の無様さはどうなのか。5大関のうち稀勢の里。琴奨菊の日本人2大関が9勝6敗、大関歴の一番古い琴欧洲に至っては8勝7敗という不甲斐な成績だ。

六大関時代になれば、毎場所”クンロク”大関が二人や三人は出てくる。一横綱、六大関だから星のつぶしあいで、平幕の力士に負ければ”クンロク”さえ維持できなくなる。現行の規定では、大関は2場所負け越せば平幕に落ち、落ちた場所で再び10勝以上あげればカムバックできる。しかし、見ていると、過去の大関の中には八百長といわれても仕方がないほど、この規定を上手に利用していた。相撲協会は六大関の"豪華さ”をセールスポイントにしいているのかもしれないが、逆目にでなければよいがー。